「王妃の帰還」柚木麻子
絶賛されている人気作品。
(ただし、百田尚樹さんや冲方丁さんのような万人受けする作品ではない)
内容は学園もの。聖鏡女学園中等部が舞台。
クラストップの滝沢さん(=王妃)が、ある「事件」をきっかけに「姫グループ」から転落。
クラス最下層「地味グループ」(オタク・グループ)に迎えることになる。
地味グループの範子は、なんとか王妃を姫グループに帰還させようと企てる。
「スクール・カースト」をエンターテイメントとして描いている。
クライマックスは、姫グループ・トップ村上恵理菜と範子の対決。
そして、王妃の意外な行動。
(以下、ネタバレあり、注意)
P195
「正論で誰かを打ち負かしても、一人に全部の責任を押しつけても、何も解決しないんだよ」
「何それ、村上恵理菜一人の責任に決まってるのに!何言ってるの?」
何人かの女の子がうんうん、とうなずいていうのを見て、範子は胸を張る。
「それはない。一人だけが悪いなんてことは絶対にない。ノリスケならわかるでしょ。フランス革命の財政破綻は、本当にマリー・アントワネットだけが悪かったのかな」
実際の中学で、このような会話は、まず無い。
でも、そこがウケる要因、と思う。
よく出来ているし、面白いと思う。
【ネット上の紹介】
聖鏡女学園中等部二年の範子は、仲良しグループで地味ながらも平和に過ごしていた。ところが、公開裁判にかけられ地位を失った滝沢さんを迎えることとなりグループの調和は崩壊!範子達は穏やかな日常を取り戻すため「プリンセス帰還作戦」を企てるが…。女子中学生の波乱の日々を描いた傑作長編。