
「海の見える街」畑野智美
先日、「南部芸能事務所」を読んだ。
とても良かった。
次に選んだのが本作。
これも当たり、おもしろかった。
海辺の地方都市が舞台。
図書館、児童館に勤める4人が主要人物。
短編が4編収録されていて、語り手が変わっていく。
「マメルリハ」
「ハナビ」
「金魚すくい」
「肉食うさぎ」
これがそれぞれ短編のタイトルだけど、
同時に、語り手が飼っているペットを表している。
この人物がこんなペットを飼っているのか、と。
仕事、生活、家族、友人関係を丁寧に描いている。
物語の進行に従い、4人の結びつき、距離も変化していく。
このあたり、絶妙。
この作家さん、ホント上手い。
とりあえず全作品を読んでみるつもり。
(4冊しか出版されてないけど)
国道沿いのファミレス 2011
夏のバスプール 2012
海の見える街 2012
南部芸能事務所 2013
国道沿いのファミレス 2011
夏のバスプール 2012
海の見える街 2012
南部芸能事務所 2013
PS
このエンディング、少しひっかかった。
でも、「すばらしい」と感激する方が大多数か?
【蛇足】
もし、欠点をあげるとすると、タイトルが平凡なこと。
もう少しひねってもいいかも。(よけいなお世話)
【参考図書】
「南部芸能事務所」畑野智美

【ネット上の紹介】
この街でなら、明日が変わる。海が見える市立図書館で働く20、30代の4人の男女を、誰も書けない筆致で紡ぐ傑作連作中編集。