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「アウトサイダー」深町秋生
「アウトバーン」「アウトクラッシュ」に続く3作目。
このシリーズは、ヒロインが夫の死の真相を知りたいと考えた事から始まっている。
警察は自殺と判断したが、自殺を偽装されたのじゃないか?
前2作を経て、少しずつ死の真相に迫ってきた。
本作で、ついに謎が解明される。
つまりクライマックスを迎える。
息つく暇もない展開となっていて、一気読みした。
前回も書いたが、元プロレスラーで格闘家の落合里美の存在が大きい。
登場すると、嬉しくなる。
本シリーズは、性格の悪い、ひねくれた人物ばかり登場する。
その中で、唯一裏表がないのが里美である。
だから、彼女が登場すると心がなごむのだ。
P222
里美が富永署長に電話するシーンが印象的。
「富永だ」
〈・・・・・・もしもし。これ、富永って人のケータイっすか〉
「そう名乗ってるだろう。富永は私だ。君は誰だ」
〈落合っす〉
「なに」
・・・ここから一気に物語が大詰めとなる。
PS
これで話は一件落着。
だけど、シリーズまだまだ続きそう。
人気が出て、「もっと続けて欲しい」と、要望が多数寄せられた、と思われる。
深町版「新宿鮫」となって、シリーズは長く続く、と予想する。
【参考リンク】
深町秋生『アウトサイダー』 (09/14)
【ネット上の紹介】
自殺とされた夫の死の真相に迫る警視庁上野署の八神。警察による証拠改ざんの疑いが増す中、執念で掴んだ手がかりは、新宿署の五條の存在だった。権威と暴力で闇社会を支配する五條に、八神は命を賭した闘いを仕掛ける。硝煙の彼方に追い求めた真実は見えるのか?美しくも危険すぎる女刑事が疾走する警察小説シリーズ、壮絶なクライマックスへ。