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「きりきり舞い」諸田玲子
十返舎一九の娘、舞を主人公にした、連作時代小説。
舞の周りは、奇人・変人ばかり。
いつも振り回され、「きりきり舞い」。
江戸時代を舞台にした、ドタバタ・コメディ。
P133
夫から離縁を申し渡すときは、妻の持参金をそっくり返すのが決まりだった。使い果たしてしまって離縁できない、という例もままある。
・・・こんな豆知識が嬉しい。
P249
ヒロイン・舞が旗本のイケメンを好きになる。
相手も憎からず思っていて、良い感じ。
しかし、舞は、玉の輿について、冷静に考察する。
虫がつきはしないか、しみができはしないかと、着ていても落ち着かない晴れ着と同じだ。
・・・恋にのぼせず、客観的な判断力を維持している。
(とても頭の良い娘である)
諸田玲子さんと言えば、江戸時代を舞台にした作品を多数書かれている。
シリーズ作品も多い。
本作品も、けっこう楽しめた。
続編も出ている。
【ネット上の紹介】
『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘、舞。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘であるお栄たち居候に翻弄される日々だった。十八歳だというのに縁談はみんな父が壊してしまう。そんな舞を武家の若者、野上市之助が見初めた。今度こそ恋が実るか!?奇人変人に囲まれた娘が懸命に生きる姿を、ユーモアと人情味たっぷりに描く時代連作集。