「機龍警察未亡旅団」月村了衛
近未来を想定したSF小説。
内容は、チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入。
このテロ組織に、日本の公安部と特捜部が対峙する。
いったい、テロを防げるのか?どう防ぐのか?
登場人物の生活も感じられる 非常にリアルな描写である。
P118
かつて、戦争とは高価で複雑なシステムを必要とするものだった。今は違う。兵器がとめどなく拡散し、小麦粉や石鹸のように僻地の村々にまで流通している。武器が目の前にあると、弱い人、怒りや悲しみの虜となった人は抵抗なく手に取ってしまう。紛争の敷居は際限なく低くなり、歯止めはかかりにくくなる一方だ。この流れは不可逆で、社会は緩慢に、そして確実に破滅へ向かっている。
思った以上に、面白かった。
SF的な箇所は、ガンダムやエヴァンゲリオンような搭乗タイプの“龍機兵”が出てくること。
戦闘シーンも臨場感あふれる。
攻殻機動隊のような設定なので、押井守監督にアニメ化して欲しいような作品だ。
【参考文献】
【ネット上の紹介】
チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬ彼女達の戦法に翻弄される。一方、特捜部の城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察全体を揺るがす悪夢につながっていた―世界のエンタテインメントに新たな地平を拓く“至近未来”警察小説、衝撃と愛憎の第4弾。