【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「花や散るらん」葉室麟

2017年01月14日 21時10分12秒 | 読書(歴史/時代)


「花や散るらん」葉室麟

「忠臣蔵」裏面史が描かれている。
こういう経緯があったのか、と感心した。
京都と江戸にまたがって物語が展開する。
京都言葉が駆使されるが、けっこう決まっている。
作中、京女が「許さしまへんえ」と静かに言うシーンなど、怖い。

前半ゆっくり流れ、後半から怒涛の展開で面白くなり、一気に読み。
読み終わってから分かったのだが、雨宮蔵人と咲弥が登場する本書は、
「いのちなりけり」の続編だそうだ。知らなかった。
いずれ読んでみようと思う。

P236
「ひとはいつか必ず死ぬものでござる。いくら恐ろしくてとも死なぬわけにはまいらぬ。ならば、おのれがもっとも生きたいように生きるしかござりますまい。たとて、それで死が早まろうとも」

【おまけ】
浅野内匠頭が、どうして吉良上野介に松之大廊下で切り掛かったのか、
そこに至った心理を、もっと突っ込んで描いて欲しかった。

【ネット上の紹介】
京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。そして二人は良き相棒である片腕の僧、清厳とともに江戸におもむき、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにする事となるのだが。