「最後の花束」乃南アサ
乃南アサさんの短編集を読んだ。
短編集を読むのは初めて。
この短編集のテーマは若い女性の狂気。
なかなか良かった。
特に、「くらわんか」が良かった。
大阪の枚方が舞台。
P43
ベランダに出ても川の流れそのものは見えないが、その向こうに広がる町はよく見える。
「なかなかええ景色やんか」
「ねえ、あっちも大阪?」
(中略)
「あっちは高槻。この淀川をな、あっちに上がっていくと京都に行くんや、でもって、こっちに下ると、大阪市内な」
枚方には自転車で時たま行く。
私市に行くための交野線が、枚方市駅から出ているから。
枚方の描写も大阪弁の駆使も巧い。
【ネット上の紹介】
色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。ある女は大阪に引っ越してまで愛人を追いかけ、またある女は親友の婚約者を欲しがる。職人の夫の浮気を疑った妻は夫の作る提灯に火を仕込み、OLは見る間に垢抜けた同僚への嫉妬に狂う…。サスペンス・ミステリーの名手による短編を、単行本未収録作品を加えて精選したベスト・オブ・ベスト第一弾!