「寄席品川清洲亭・シリーズ」奥山景布子
1作目「寄席品川清洲亭」
2作目「すててこ」
3作目「づぼらん」
時代は、ペリー来航の直後の幕末、品川宿が舞台。
大工の棟梁・秀八は落語好きが高じて寄席を作って、席亭となる。
本シリーズは「寄席品川清洲亭」を舞台にした人間模様、群像劇だ。
秀八の女房・おえい、浪人の戯作者、書物問屋の隠居、三味線弾き、妓楼の主人、材木問屋の旦那、女義太夫、そして個性的な落語家達を描き分けている。
今のところ3冊出版されている。まだまだ続くと思うが、楽しみなシリーズだ。
②P234
高座に出ている湯飲みは、あくまでも湯気で喉を湿すためのものであって、実際に飲んだりはしないものですよ、(後略)
②P244
「(前略)源四郎ってのはね、この世界の言葉で、入った客の数を実際より少なくごまかして、芸人に渡す給金の上前をこっそり撥ねちまうって意味なんですよ」
③P50
芸人同士は互いに、人の高座を客席で見聞きすることはしない。聞きたければ、袖へ入れてもらうのが礼儀だ。特に、芸歴の浅い者が、上の者が噺をするときに客席にいるのは非礼とされる。
【ネット上の紹介】
時は幕末、ペリー来航の直後の品川宿。落語好きが高じ寄席の開業を思い立った大工の棟梁・秀八。腕はいいが、けんかっ早い。駆け落ちして一緒になったおえいは団子屋を切り盛りするいい女房だ。芸人の確保に苦労するも、寄席の建物は順調に出来上がってきていた。そんな中、突然お城の公方さまが―。秀八の清洲亭は無事柿落しができるのか?笑いあり涙あり、人情たっぷりの時代小説、開幕!