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「家族収容所 愛がなくても妻を続けるために」信田さよ子

2019年12月26日 18時58分37秒 | 読書(家族)
「家族収容所 愛がなくても妻を続けるために」信田さよ子

家族をテーマにした作品。
愛がなくても、家庭が崩壊していても、生き抜く術を教示してくれる。
理想を求めず、現実に則した対応を示している。
つまり、無理に離婚を勧めていない。

ロマンチックラブ・イデオロギー
P16
「愛」と「性」と「結婚」の三位一体をもって女性のしああせとする強固な考えだ。

P158
アメリカのブッシュ大統領の、9.11以降の演説を聞いて、DVの論理そのものだと感じた。「こっちが被害者だ」と言っては殴り、殴ったあとは少しも悪びれずに加害者意識をもたないではないか。最期に「神のご加護を」などと付け加えたりもする。

妻から離婚を言い出された別れたDV夫の人生
P210
①前の妻のストーカーになる。
②似たような女を選んで一緒に暮らす。
③自滅して死ぬ。

P245
結婚はもともとリスキーなのだだから、どんな夫婦にもリスクマネジメントがあってしかるべきで、危険や犠牲を最小限にとどめることこそ、結婚生活に必要な技術といえるだろう。

【感想】
信田さよこさんの原動力は「怒り」である。
「怒り」が大いなるモチベーションをなり、作品を書かせている。
本作は特にその傾向が強い。
それは、DV男や男社会に対する憎しみ、呪詛に近い。
パワーがある分、作品に勢いがあるが、読んでいて少し疲れた。

【ネット上の紹介】
夫との関係に傷つき苦しみ、絶望しても、この不況の時代を暮らしていくために離婚に踏み切ることなどできない多くの妻たち。「家族」とは、女が多くを奪われ一生閉じこめられる「収容所」なのか?愛などなくとも、女が強く明日を生き延びるために―家族問題でいまもっとも信頼厚いカウンセラーがおくる、知恵と戦略とは。
序章 「夫婦の物語」の落差(夫婦の情景
現代版「女三界に家なし」)
第1章 「ロマンチックラブ」幻想(女が結婚で手に入れるもの
「結婚は人生の墓場」の本当の意味 ほか)
第2章 夫を救おうとする妻たち(「共依存」のひとたち
被害者を自認する難しさ ほか)
第3章 「女」が沈むと「母」が出る(女の支配、男の支配
「母」というポジション ほか)
第4章 女の人生はスマートボール(離婚するひと、離婚できないひと
傷つくのは心ではなく人生 ほか)
第5章 生き延びるための「技術論」(別れられないひとのための「しのぎの生活」
「無いものは無い」からの出発)