【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「誰に似たのか」中島要

2023年06月27日 07時03分12秒 | 読書(歴史/時代)


「誰に似たのか」中島要

中島要作品、最新刊。
筆墨問屋・白井屋の人々を描いている連作長編。
全6話収録されていて、全て語り手が異なる。
過去の中島要作品の中でもトップクラスの面白さ。
シリーズ化して、続編もぜひ出版して欲しい。
今年ベストの1冊。

P102
墨は煤を集めてにかわを混ぜ、香木で香りをつけて固めたものだ。主に松の木を燃やした煤を固めた松煙木と、菜種油や胡麻油の煤で作る油煙木がある。

P258
「親は神でも仏でもない。我が子をかわいがった分だけ、許せないこともあるんだよ。(後略)

【ネット上の紹介】
江戸日本橋の筆墨問屋白井屋は、太兵衛が大店にした。妻のお清は、太兵衛の女遊びに苦労させられたが、隠居後は夫婦で穏やかに暮らす。しかし、夫の死後に裏切りを知り、大激怒。妻に逃げられた年下の蕎麦屋の男に自らを重ねて、貢ぎはじめる。世間体を気にする長男、貧乏長屋に暮らしお清からの援助を期待する長女は、老母の恋を止めようとするが…。隠居した母の恋に振り回される兄妹、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁、料理人修業中の孫娘―。

この記事についてブログを書く
« 「ヨーロッパ史入門」池上俊一 | トップ | 大阪歴史博物館 »

読書(歴史/時代)」カテゴリの最新記事