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「マスカレード・ホテル」東野圭吾

2014年09月03日 08時23分58秒 | 読書(小説/日本)

集英社文庫<br> マスカレード・ホテル 
「マスカレード・ホテル」東野圭吾

東野圭吾作品を読むのは3冊目。
今まで読んだ作品は・・・

①「秘密」第120回直木三十五賞候補・第20回吉川英治文学新人賞候補・第52回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞
②「容疑者Xの献身」第134回直木三十五賞受賞・第3回本屋大賞4位・第6回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞

2作とも、世間の評価がとても高い作品だ。
・・・でも、私にとってイマイチ。
私の趣味とずれる。
もう、東野圭吾作品を読むのはやめよう、と思っていた。
でも、3度目の正直。
・・・と言うわけで、本作品を読んだ。
これは、面白かった。
今までで一番良かった。(と言っても3作しか読んでないけど)
「お仕事小説」として楽しめた。

山岸尚美と新田の会話
P367
「昔、先輩からこんなふうに教わりました。ホテルに来る人々は、お客様という仮面を被っている、そのことを絶対に忘れてはならない、と」
「ははあ、仮面ですか」
「ホテルマンはお客様の素顔を想像しつつも、その仮面を尊重しなければなりません。決して剥がそうと思ってはなりません。ある意味お客様は、仮面舞踏会を楽しむためにホテルに来ておられるのですから」

タイトル「マスカレードホテル」の「masquerade(仮面舞踏会)」は、ここから来ている。
新田を助ける刑事・能勢がいい味を出している。
ミステリ箇所は、(私にとって)さほど魅力はなかったが、
最初に書いたように、「お仕事小説」として楽しめた。
もう、1、2作くらい、著者の作品を読んでみたい気分。

【ネット上の紹介】
新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ 都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一級ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し…。1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。

【蛇足】
★「容疑者Xの献身」東野圭吾(文藝春秋)
2006年4月2日(日曜)に、私は次のように書いたので、再録しておく。

オビのコピーはすごい!
134回直木賞受賞
「文春ミステリー」1位
「このミス」1位
「本格ミステリー」1位
このコピーだけで読みたくなるぞ。
さて感想・・・たしかにおもしろい。
レベルも高いし、キャラもしっかりしてる。
100人いて99人まで褒めるでしょう。
・・・でも私の趣味じゃない。
日本男性は泣かせる話が好き。(「男のロマン」とかも)
だからうけたんでしょう。
ミステリー版「シラノ」か

・・・以上、かなり愛想のないコメントである。


「砂子のなかより青き草」宮木あや子

2014年09月01日 20時22分11秒 | 読書(小説/日本)



「砂子のなかより青き草」宮木あや子

清少納言を主人公にした作品。
このような作品は、過去2作品出版されている。

「はなとゆめ」(冲方丁)
「むかし・あけぼの小説枕草子」(田辺聖子)

今回の作品が一番虚構性が高く、激しかった。
なんせ、清少納言と紫式部がつかみ合いのケンカをする。
清少納言が激高して、紫式部の胸ぐらを掴む。
う~ん、激しい・・・さすが、宮木あや子作品だ。
ここまで、紫式部を悪役にしたのは珍しい。

清少納言の元夫・則光の言葉
P112
そなたと同じように、群を抜いて賢しい女がいる。今は関白殿の娘の女房として娘に歌や漢詩を教えている。才長けた中宮様の文を代筆できるような女はおそらく、そなたかその女しかいないであろう。

【関連図書】

「はなとゆめ」冲方丁
むかし・あけぼの 〈下〉 - 小説枕草子 角川文庫むかし・あけぼの 〈上〉 - 小説枕草子 角川文庫 

【ネット上の】
寂しい。寂しい。寂しい。でも強くなりたい。清少納言が枕草子に綴った嘘と真実とは?R‐18文学賞デビューの実力派による平安時代小説の大本命!