【ぼちぼちクライミング&読書】

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「大江戸猫三昧」澤田瞳子/編

2017年07月13日 20時02分06秒 | 読書(歴史/時代)


「大江戸猫三昧 時代小説アンソロジー 新装版」澤田瞳子/編

猫をキーワードにした、時代小説アンソロジー。
次の10編が収録されている。

岡本綺堂「猫騒動」
古川薫「黒兵衛行きなさい」
森村誠一「猫のご落胤」
池波正太郎「おしろい猫」
島村洋子「猫姫」
光瀬龍「化猫武蔵」
海野弘「大工と猫」
高橋克彦「猫清」
小松重男「野良猫侍」
平岩弓枝「薬研堀の猫」

アンソロジーのいいところは、普段読まないような作家が読める事。
編者が、どんな作品を選んでいるのだろう、と言う点も興味深い。

P275
感謝の言葉こそが、いかなる睦言にも増して夫婦仲を良好にする。ふたりは、たがいに仔猫の真似をしながら、いやが上にも琴瑟相和した。(「琴瑟相和す」とは「夫婦の仲が 非常にいいたとえ」である…知ってた?)

【著者の言葉】P336
この『大江戸猫三昧』収録の作品には、愉快な猫・勇敢な猫・ちょっと不気味な猫と実にさまざまな猫たちとそれを取り囲む人間たちが登場する。どの猫も生き生きと身近に感じられ、読後に思わず窓の外に猫の姿を探すこと請け合いである。時代小説を読みなれた読者諸姉諸兄はもちろん、歴史には興味はないが猫好きという方々にも、時代小説の入門編として楽しんでいただけるであろう。

【解説の方=毎日新聞社編集委員・内藤麻里子さんの言葉】P364
「解説」は、小説家になる前の原稿。文筆家としてデビュー作といってよい。

【おまけの感想】
「黒兵衛行きなさい」」と「野良猫侍」が、特におもしろかった。

【ネット上の紹介】
愛くるしい表情を見せるかと思えば、ふいとどこかにいなくなる。猫という生きものはまあ、気まぐれなもの。そんな猫と人間たちが、江戸の町を舞台に織りなす喜怒哀楽。時代小説の名手たちによる傑作を、歴史小説家の気鋭・澤田瞳子がセレクト。時代小説好きはもちろん、猫好きの方々にもお楽しみいただける一冊。巻末に収録された解説『文学における「猫」の位置づけ』は出色。


「動物たちのビックリ事件簿」(4)宮崎学

2017年07月12日 18時58分14秒 | 読書(写真エッセイ)


「動物たちのビックリ事件簿」(4)宮崎学

シリーズ最終巻、「冬」の巻。


コナラの木をのぼっていくツキノワグマ。

ツキノワグマは、夏から秋にかけて、木の実をよく食べます。たとえば、夏にはヤマザクラやウワミズザクラ、秋にはクヌギやコナラなどのドングリ、クリやクルミなどです。
ツキノワグマはそれらの木にのぼり、枝をバキバキと折って、ざぶとんのようにしきつめます。
そしてその上で、ゆっくり食事をするのです。ときには、そこでねむることもあります。


「動物たちのビックリ事件簿」(3)宮崎学

2017年07月11日 19時06分20秒 | 読書(写真エッセイ)


「動物たちのビックリ事件簿」(3)宮崎学

シリーズ3冊目、「秋」の巻。


朝の7時すぎ、お供えものをもってきたサル、ではなくて、ぬすんでいくサル。


「動物たちのビックリ事件簿」(2)宮崎学

2017年07月10日 19時47分46秒 | 読書(写真エッセイ)


「動物たちのビックリ事件簿」(2)宮崎学

シリーズ2冊目は「夏」の巻。


タヌキは、ハチとかハチダヌキなどとよばれることがあります。
これは、タヌキの肩のあたりに、漢字の「八」の字のような、毛色のちがうもようができるからです。


「動物たちのビックリ事件簿」(1)宮崎学

2017年07月09日 18時23分27秒 | 読書(写真エッセイ)


「動物たちのビックリ事件簿」(1)宮崎学

写真絵本、とも言うべき作品。
全4冊で、1冊目は「春」の巻。

ジャンプしたしせいのまま木にとびうつったら、リスは前足から木に着地することになります。
しかし、リスの前足は力が弱いので、顔をしこたま木にぶつけてしまうでしょう。
リスの最大の武器は、強力な後ろ足です。
だからその後ろ足で着地できるように、体をひねっていたのです。

このニワトリたちはすばらしい。
走り回って、おいしい卵を産んでくれそう。


「家族の悩みにおこたえしましょう」信田さよ子

2017年07月07日 19時54分36秒 | 読書(家族)


「家族の悩みにおこたえしましょう」信田さよ子

私の知るかぎり、最高レベルの「回答集」である。
まるで、ミステリか心理劇を読んでいるような面白さ。
質問者自身が書かなかった(書けなかった)行間を読み、
今後の道標となる絵を描いて提示している。
感服した。プロの技を見た。

P19
離婚は弱者である女性にとって最終的な切り札です。それを早く出し過ぎると、かえって足元を見られ条件的に不利になりかねません。あみだくじのように順を追って夫が変化する可能性を試し、それを確かめていけば、夫がモトコさんの希望通りの理解を示すこともあるでしょう。それは離婚という最終結論の回避を意味します。もうひとつの切り札である夫のDVについても触れないようにします。効果的に使えるタイミングを慎重にうかがうことにしましょう。
 不自然なほど丁寧な表現を使うのは、非日常的雰囲気を醸し出すことで、モトコさんの覚悟を示し夫との距離を保つために必要だからです。また、論理的破綻を示せば夫から突っ込まれる可能性があるため、「私は~思う」「私は~感じる」といったI-messageに徹することで、夫から介入される隙をつくらないようにします。
 人生の分岐点は、心がけや決心といった心理的レベルではなく、具体的な言葉や行動によっていかようにも推移していく可能性があります。

P24
復讐は狂乱と紙一重の行為であり、精神的ダメージも大きくなります。奥様は自分が崩壊することを覚悟しているのかもしれません。

P28
虐待を受けた子どもたちは、理不尽な経験をする課程で「すべて自分が悪いから」という理由づけを行って世界を理解します。これによって説明不能なことはないので、究極の合理化と言えるでしょう。言い換えれば、虐待された子どもたちは自分を否定することと引き換えに、かろうじて世界の明晰さを獲得してきたのです。ミチコさんにも痛ましいほどの自己否定感の残滓が残っているような気がします。

P33
 かわいそう=自分が救ってあげなければ=誰よりも自分に依存し必要としている、という等式が成立します。必要とされる相手を救うことで、救済者になる快感を味わうことができます。それは、救済対象を支配することで得られる満足感と同義です。この種の関係性に飢えている男性は、年齢を問わず意外に多いものです。

P54
大切な言葉を伝えるには、非日常的な場面を設定しなければなりません。

P56
母親が娘がかわいくないと感じる理由は三つあります。子どもから拒否されていると感じるとき、もう一つは嫌悪する自分の一部を体現していると感じるとき、さらに子どもに嫉妬しているときです。

P58
このように母親としての「自己中心性」こそが、一番の課題だと思います。アユミさんだけではありません。多くの母親が子どもを心配する姿を支えているのが、この自己中心性なのです。

P105
夫婦の不一致は、お互いの様子をうかがい、相手の弱点を突いてやろうという力関係を生み出します。それを察知した子どもは対立から身を守るために緊張と状況察知の感度を高めます。

P134
痛み、不幸、苦痛はきわめて個人的なものであり、比較は不可能だと思うからです。敷衍すれば、個人の尊重とはこのような個人的な負の感覚を比較せずそのまま尊重することに立脚しているのではないでしょうか。小指が痛む人と大腿骨が痛む人を比較してはならないと思うのです。

P138
娘の人生に嬉々として介入して寄生している母親は、自分の人生の不良債権のツケを娘を使ってゼロにしようとしているのだと思います。

P178
 心理学用語が人々に取り入れられるのは相応の理由があります。その好例が性格という言葉です。今や日常用語になったこの言葉は戦後社会において急速に広がったものです。人々は生まれつきの家柄や性別によって決定されるのではなく、平等な人権に基づいて生きることができるようになりました。たとえ建前であったとしてもそのことが憲法に謳われてから、性格という言葉が流通し始めたのです。もともとの性質(たち)や性根、人品とも異なる性格という心理学的な言葉は、個人を尊重し、その結果として個人の責任に帰せられる言葉でした。親がしつけや育児に際して「あの子の性格は~」と語るとき、子どもには性格という目に見えない実体が備わっており、そこに問題があるのだと主張しているのです。子どもの性格は子どものものなのですから、親に責任はなくなります。

P188-100
娘を、妻を、そして家族のことをいったい夫はどのようにとらえているのだろう、と。
 残念ながらそんな詮索はほとんど意味がありません。おそらく夫は「何も考えていない」のです。
(中略)
夫たちの主観的世界は、ほとんどが仕事の論理で構成されています。それは感情を排除し、結果だけがものを言い、努力次第でなんとかなるという信念に裏打ちされています。
(中略)
「自分はまじめに仕事をして家族を支えているのだから100点に違いない。それ以上何が必要なのか」
 これが夫のすべてだと思います。

P209
私たちに与えられた想像力こそが、体験したことのない苦しみに思いを馳せることを可能にします。
 もっとはっきり申し上げると、他者の苦しみを「わかる」ことなど私たちにはできないのです。

【ネット上の紹介】
現場で日々格闘するカウンセラーの著者は、相談者の数限りない不安や悩みに向き合ってきた。また3・11以降、「絆」の時代と強調される状況のなかで、むしろ潜在的な家族の問題が浮かび上がってきたと語っている。 老後の不安、嫁と姑の不仲、不登校、親への暴力、子育ての悩み、アルコール依存症、DV被害、共依存、アダルトチルドレン、結婚への不安……。これらさまざまな人生の悩みを、具体的にどうすれば解決できるのか? 本書は世に出回っている人生相談とは一線を画し、28通りの悩みに、臨床40年のエキスを結晶させて答える。普段のカウンセリングでは表現しきれない、著者の考えを充分に知ることができる貴重な一冊。
64歳の夫との将来の生活に不安をおぼえます
妻が不安定で困っています
親になるのが怖いのです
妻より姉の面倒をみたいのです
二人の子どもが結婚しません
どうして私は腹が立たないのでしょう?
娘から毎日のように責められます
浮気する妻に対して怒れません
長女がかわいく感じられません
別居して戻ってきた娘が私を責めます〔ほか〕


「氷の靴 ガラスの靴」(3)荻原規子

2017年07月07日 00時56分49秒 | 読書(小説/日本)

Sarisari
「氷の靴 ガラスの靴」(3)荻原規子

KADOKAWA電子書籍「小説屋sari-sari」7月号
「RDG レッドデータガール」スピンオフの連載3回目。

パソコンの画面上で読むのは、あまりしっくりこない。
紙で読むのに慣れているから。
でも、良いことがある。
7/6から7/7に日付が変わったとたん、読めることだ。
書店の在庫を気にしながら探す手間もない。

さて、いよいよスケート教室が始まる。
熟練度により、クラス分けされる。
真響、真夏、深行は上級クラス。
泉水子は初心者クラス。
夜はレセプションがあり、謎のインストラクター登場。
真夏と泉水子は、途中で抜けて、夜のスケートリンクに行く。

P168
「鈴原でも妬くんだとしたら、おれは――」
 少し言葉を探すように、深行は間を置いて言った。
「――助かったと言いたいかもな」
(普段自信たっぷりの深行の意外な面を感じさせる言葉だ)


「みずほ草紙」(4)花輪和一

2017年07月06日 18時52分36秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「みずほ草紙」(4)花輪和一

シリーズ最新刊にして最終巻。

「子供の河童だな。おびえている」

「セミが羽化するように死ねたらいいだろうな。背中が割れて、静かにゆっくり魂が抜ける」

山には秘密のスジがあって、そのスジを利用すれば、里より速く動けるそうだ。

【ネット上の紹介】
日本の裏側の真理、神秘を語る!! 日々の生活を紐解けば、日本の、世界の、宇宙の真理までわかってしまう!! 作者だからこそ描く事が出来る 摩訶不思議ワールド全開!! 【編集担当からのおすすめ情報】 2007年より、約6年に及ぶ連載の完結第4集! とってもかわいいお猫様の秘密も大暴露!!


「白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄

2017年07月05日 19時19分00秒 | 読書(山関係)


「白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄

シリーズ6作目。
南アルプス山岳救助隊の活躍を描く、書下ろし長編。
シリーズ・屈指の面白さ。

甲府市内で宝石強盗。
ところが、仲間割れ。
その1人が、宝石を持って北岳に登ってしまう。
それを追って、他の2人が北岳に入山する。
バットレスでは、1パーティが登攀をしていたが、途中で敗退。
降りる途中で事故を起こす。
またその時、単独行者の登山者が、北岳を登頂していた。
平行して進行していたストーリーが複合していく。
その手腕が見事。

夏実や静奈は、どの時点で、犯人と遭遇するのか?
メイやバロンは、どんな活躍を見せるのか?
今回は県警本部との合同捜査だが、夏実が積極的な発言をする。
そのあたりの意外な面を見たり、成長を感じる楽しみもある。
本シリーズ・ファンは必読。

【関連図書】

「天空の犬」樋口明雄

ハルカの空―南アルプス山岳救助隊K‐9 
「ハルカの空 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄


「ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄


「火竜の山 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄


「レスキュードッグ・ストーリーズ 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄

【ネット上の紹介】
標高三一九三mを誇る、南アルプスの主峰にして日本第二位の高峰・北岳で活動する、山岳救助犬を有する南アルプス山岳救助隊、チームK-9。そこに所属する若き女性警察官・星野夏実と相棒の救助犬メイを中心に、仲間たちの活躍を描く人気シリーズ最新刊。甲府市の宝石店を襲撃し、三億七千万円相当の宝石を強奪した三人組の男は、所持した拳銃を躊躇なく発砲、死亡者を出しながら逃亡した。そんな犯人グループが、なぜか真冬の北岳に向かったことが判明する。夏実たち隊員は極寒の北岳に入り、危険な犯人を追走する――。


クライミング記事

2017年07月05日 19時03分37秒 | クライミング(一般)

クライミング記事、朝日新聞、2017/7/5夕刊


「レスキュードッグ・ストーリーズ 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄

2017年07月04日 18時57分18秒 | 読書(山関係)


「レスキュードッグ・ストーリーズ 南アルプス山岳救助隊K-9」樋口明雄

シリーズ5作目。
南アルプス山岳救助隊の活躍を描く短編集。
次の12編が収録されている。

「遺書」
「山の嫌われ者」
「青天の霹靂」
「神の鳥」
「霧の中に……」
「帰ってきた男」
「父の山」
「サバイバーズ・ギルト」
「辞表」
「向かい風ふたたび」
「相棒(バディ)」
「夏のおわりに」

P111(「霧の中に……」より)
「たとえば山で登山者同士がすれ違うとき、お互いに“こんにちわ”って挨拶するだろ?あれは、自分が生きている人間なんだよと相手に伝えるために始まったという話があるね」
(中略)
 吊尾根分岐の斜面に立っていた青いシャツの男性に夏実は声をかけた。返事がなかったのは、もしや当人が死者だったからなのだろうか。そう思うと、あらためて背筋が寒くなる。
「でも……そういう人たちにお会いしたとき、どうすればいいんですか」と、曾我野。
「心の中で唱えるように教えてさし上げるんだよ。いつまでも山に残っていても仕方ありません。早くご家族のところに戻ってあげて下さいってね。たいていの場合、納得してくれるみたいで、それきり見かけなくなるね」

特に良かったのが、「相棒(バディ)」。
解説では、物語の転換点となる、と表現されている。
確かにそうだ。
涙、涙、である。(41ページの短編だけど、どれだけ泣かせるのか)

【ネット上の紹介】
標高3193m。日本第二の高峰・北岳。そこに南アルプス山岳救助隊があり、山岳救助犬を伴うK‐9チームがいる。山岳救助、犬との交流、親子の絆のほか、「南アルプス山岳救助隊K‐9」シリーズの転換点となる「相棒(バディ)」、単行本未収録作品「夏のおわりに」を含むバラエティあふれた全12編を収録した本格山岳小説集。


「南谷真鈴冒険の書」南谷真鈴

2017年07月03日 19時22分12秒 | 読書(山関係)


「南谷真鈴冒険の書」南谷真鈴

日本人最年少でエベレストに登頂し、世界七大陸最高峰を踏破した女子大生・南谷真鈴。

エベレストC3、極寒7300m薄い空気での出来事
P100-101
そんな日の真夜中、事件が起きました。ファティマが下山し、私がテントにひとりでいることを知っていたパーソナルシェルパが、突然テントにやってきて、私を襲おうとしたのです!私は眠っていましたが、なにか音がするなと思って目を開くと、なんとそいつが半裸で、私のシェラフを開けようとしているではないですか!「Oh my god!高所での悪夢じゃないと気づき、リーダーの名前を何度も叫んだのですが、寝ていて誰も来てくれない。薄い酸素に息も絶え絶え、テントから出れば7300mの暗闇、急勾配を転がり落ちてしまうかも……!?もう頭の中は真っ白で、倒れそうになりましたが、「だてにジムで鍛えているんじゃないぞ!」と怒りが爆発。きっちり相手をブロックして撃退し、テントの外へ追いやりました。さすがに、もう眠気もささず、気を張りつめて夜を過ごしました。(世界の最高峰・エベレスト、様々な困難が待ち受けているなぁ…って感慨にふけっている場合じゃない。この極寒の高所で下半身暴走させるシェルパに感心…じゃない呆れる。このシェルパはBCで大問題となり、即日解雇。ところで、「Oh my god!」となっているが、誤植である。キリスト教は一神教なので固有名詞=Godと大文字にする必要がある。動揺のあまり、著者が間違ったのかもしれない。あるいは、日本人なので、心の中で八百万の神々を念じたとしたら、「god」と小文字表記でOK)

著者は、エベレストの後、すぐに北米大陸・デナリ(マッキンリー)へ移動
P127-128
デナリでは食料や荷物をザック以外にもソリに載せて引っ張って登るため、体調の悪くなったメンバー分の荷物を常にシェアすることになりました。「君はエベレストも登ったばかりだし、元気いっぱいに違いない。俺の分も多めに持ってくれ」とか、「メンバーで唯一の女性なんだから、食事のときは(準備)まかせたよ」とも言われ、なんだか不公平に感じられることもありました。
 さらに、登山中には疲れのせいかなのか、「女なのにそんなに速く進むなよ」とか、ティーンエイジャーがなんでデナリなんか登っているんだ」とも。テントメイトはアメリカの退役軍人、自分がいかに高いポジションにいたのか、ということをいつも話していました。そんな彼が、ひとたび体調を悪くすると、すぐテントに戻り、ウジウジ半泣きで、どんなに辛いかということを訴えてくるのです。(パートナーとしてぜひ、上野千鶴子先生を同伴すべし!完膚なきまで叩きのめしてくれるでしょう。それにしても、「登山界」って石器時代?男女平等とは、ほど遠い状況だ。情けなくなってくる。クライミング界は大丈夫、と思うけど…なんだか、自信がなくなってきた。登山界とクライミング界、両方に長く生きておられる遠藤由加さんに尋ねてみたい気分だ)

P16
学校の授業が終わると登山に関する企業にメールをして、遠征サポートをお願いするようになりました。自分がやると決めたことだからこそ、両親に相談もしませんでした。(この発想と行動力が達成の源か?資金を得るためバイトをしていたら、夢に終わったかも)


街で会ったら普通のネェちゃん?
最後に書いておくが、「セブンサミッツ、そんなの恵まれた環境があれば出来るじゃん」と思われるかもしれない。やる気、努力、ヒマと金があればできる、と。
でも、「高所」は甘くない。
自分の身体が高所に順応できるかどうか、体質の問題もあるのだ。
屈強な山男とか関係ない。
当たりハズレがある。
つまり、行ってみないと分からない、と。

【ネット上の紹介】
日本人最年少でエベレストに登頂し、世界七大陸最高峰を踏破した女子大生・南谷真鈴。19歳のスーパーガール、その冒険と生き方の記録!!
FOOTSTEPS 七大陸最高峰踏破までの記録
BACKGROUND エベレストとセブンサミッツをめざすまで
Seven Summits 01 ACONCAGUA/アコンカグア
Seven Summits 02 KILIMANJARO/キリマンジャロ
Seven Summits 03 VINSON MASSIF & SOUTH POLE/ビンソン・マシフ&南極点
Seven Summits 04 CARSTENSZ PYRAMID/カルステンツ・ピラミッド
Seven Summits 05 ELBRUS/エルブルース
INTERVIEW いつ死ぬかなんてわからない。後悔するような生き方はしたくない。―阿弥陀岳・マナスルの経験から命をめぐって想うこと
Seven Summits 06 EVEREST/エベレスト
Seven Summits 07 DENALI/デナリ
HEREAFTER これからのこと
ENGLISH VERSION 英訳


万博公園・睡蓮

2017年07月02日 18時06分27秒 | お出かけ

毎年恒例、万博公園に蓮と睡蓮を観に行ってきた。









ウチのお婆さんも一緒に連れて行った。
池の鯉を見ると、「杖でしばいたろか」。
蓮を見ると、「抜いたろか」。
こんな悪いお婆さんに育てた覚えはありませんよ。(誰か預かって下さい)


屋久島ボルダリングフェス

2017年07月01日 21時56分39秒 | クライミング(一般)

ジムに行くと、「屋久島ボルダリングフェス」のチラシが置いてあった。

【参考リンク】
屋久島ボルダリングフェス2017|縄文杉発見50周年記念イベント ...

屋久島ボルダリングフェス ホームページ