社長三代記
1958年/日本
四文字熟語を支える英語について
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
福富電機工業株式会社の初代社長の福原富之助の後を継いだ、2代目社長の浅川啓太郎と3代目社長の大場太平の‘活躍’が描かれるはずの本作は、福原トメ子が撮影した8ミリ映画を観るならば、実は会社経営は社長秘書の長谷川清の影の尽力によるものだという皮肉が描かれているのであるが、『夫婦善哉』(豊田四郎監督 1955年)と同様に「英語」に拘って論じてみたい。
3代目社長の大場太平は英語に疎く、トイレの男女別を表す「Ladies」と「Gentlemen」の区別さえ分からず、社長秘書の長谷川に尋ねたもののとにかく綴りが長い方が男性トイレだと覚えたのであるが、訪ねた先のトイレは「Women」と「Men」に区別されており、大場は失態を犯すのである。しかしここで重要だと思われることは大場が長谷川に教わった「バック・オーライ(Back all right)」という言葉である。長谷川の「社長には後ろに目が無いために後ろの危険に気を配っている」という答えに大場は感銘を受け、それはラストの伏線として機能することになる。
大場は技術提携先のRTA社のブラウン社長の要望で英語が堪能の半玉のうさぎを呼ぼうとするのであるが、うさぎを相手にどのように紹介すればいいのかと長谷川に訊く。半玉とはまだ一人前ではない芸者のことであるが、芸者が存在しないアメリカでは当てはまる言葉が無く、とりあえず文字通りに「half egg」と訳される。しかしそれは決してデタラメとは言い難く、奥さんのことを英語でいう「better half」を受けてのものだった。ラストで迎えに来たクルマに乗り込んだ大場は長谷川をそばに呼び「バック・オーライか?」と尋ね、確認した後に、クルマが出て行く背後を大場の家族が一家総出で手を振りながら見送り、‘バック・オーライ’のイメージを作り出す演出は冴えているのであるが、「先手必勝」や「質実剛健」という四文字熟語の会社のスローガンを支えているものが英語であることが興味深い。
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『二等兵物語』の主人公を演じている伴淳三郎のクライマックスの啖呵が印象的だった。
「間違ったことをしでかしたからといって、何故にすぐにビンタをつらなくちゃならなかったん
じゃ 憎しみよりも、お互いの信頼があったら軍隊は楽しいもんじゃなかったのか
貴様ら、殴ることが人間を良くする道だと思っているのか そんな野蛮なことで人と人が
結びつけると思っているのか」というもので、軍隊を柔道部に変えれば今回の件に
そのまま当てはまると思う。要するに軍隊の経験がいまだに尾を引いているのである。