ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀
2011年/ドイツ
3時間の壁について
総合 70点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
本作で扱われている1937年5月6日のアメリカ合衆国ニュージャージー州レイクハーストにある飛行場で発生したヒンデンブルグ号爆発事件は生々しいニュース映画が残っており、1969年に発売されたイギリスのハードロックバンド、レッド・ツェッペリンのデビューアルバムのジャケットにもイメージが使用されたこともあって、かなり周知されている大惨事であるが、その強烈なイメージに霞んでしまい忘れ去られていた偽史が本作の主題である。
確かに作品の冒頭とラストに置かれたセントエルモスの火による飛行船の爆破シーンの再現は非常に上手く描かれているものの、例えば、ツェッペリン飛行船会社の設計技師である主人公のマーテン・クルーガーと、アメリカの石油会社社長エドワード・ヴァンザントの娘のジェニファーの婚約者であるドイツ貴族の息子フリッツ・リッテンベルクが、飛行船に積まれた爆発物を巡ってトイレ内で喧嘩になり、爆発物を仕掛けることを命じた犯人としてジェニファーの名前を上げたまま絶命するシーンなどは意図がよく分からないのであるが、この3時間あるテレビ映画は1時間50分ほどに短縮されているため、全体の3分の1以上もカットされればストーリーに難が生じることは避けられないだろう。
しかし最近の作品は結構長いものが多く、例えば、『レ・ミゼラブル』(トム・フーパー監督 2012年)は158分、『ゼロ・ダーク・サーティ』(キャスリン・ビグロー監督 2012年)は157分、『ジャンゴ 繋がれざる者』(クエンティン・タランティーノ監督 2012年)は165分、『クラウド アトラス』(ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー監督 2012年)は173分もあり、邦画においても『カラスの親指』(伊藤匡史監督 2012年)が160分、『横道世之介』(沖田修一監督 2013年)も160分など長尺な作品は多く、180分の作品として上映してもよかったように思う。『地獄の黙示録』(フランシス・フォード・コッポラ監督 1979年)や『ニュー・シネマ・パラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督 1989年)など短縮版と完全版でテーマが変わることで大幅にカットする価値があった例もなくはないが、あくまでもサスペンスである本作を短縮してしまうと意味が分からなくなる。
「さっさと死ねるように」真意を説明 麻生副総理(朝日新聞) - goo ニュース
麻生太郎副総理兼財務相の1月21日の、余命わずかな高齢者など終末期の高額医療費
に関連した発言は、「死にたいと思っても生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると
思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」
というもので「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っている」とも
付け加えている。今回麻生は、16歳で嫁ぎ、24歳で夫に先立たれ、4人の子どもを育てて
91歳で亡くなった自分の祖母の“上手い”死に際を紹介しながら、「私も72歳で、あっちの
方に近くなっている。尊厳を持って静かに死なせてもらいたいというのが率直な気持ちだ。
(報道された)意味が違うので言葉を取り消した」と語っているが、21日の発言を見れば
わかるように、麻生が問題にしていたことは尊厳ではなく高騰する医療費のことであり、
要するにお金の問題を人情の問題にすり替えているだけなのである。発言の意味が違う
ことを報道の責任になすりつけており、麻生太郎の品の悪さは死んでも治りそうにない。