『不審者』 90点

不審者

1951年／－

ネタバレ

‘ベイビー’に対する禊について

総合 90点

ストーリー 0点

キャスト 0点

演出 0点

ビジュアル 0点

音楽 0点

　主人公の警官であるウェブ・ガーウッドは、真夜中にラジオの深夜放送のＤＪである夫のジョンの生放送を聞きながら浴室にいるところを不審者に覗かれて通報してきたスーザン・ギルヴレイの家に駆けつけたことで彼女と知り合い、イリノイ州の同郷ということも手伝って、深い仲に陥る。
　ウェブは焦らしながらスーザンをその気にさせた上で、不審者と間違えたことにしてジョンを射殺し、裁判でも正当防衛を認められ、ジョンの弟のウィリアムに誠意を見せることでスーザンと結婚し、ラスベガスでモーテルを経営して一緒に暮らすことになる。全てがウェブの思い通りに進んでいったが、予期せぬことが生じる。スーザンが妊娠４ヶ月であることを知らされたウェブは、ジョンが死んだ時に知り合ったという裁判の証言と矛盾することになることが世間に知られることを恐れ、スーザンを連れて人が住んでいないゴーストタウンのキャリコという場所で出産することを試みる。
　ところがスーザンが体調を崩したことからやむを得ずウェブは街に戻って自分たちのことを知らなそうな年老いた医者を連れてくるのであるが、女児を出産した後に、突然医者が赤ん坊を連れて街に戻ってしまう。驚いたウェブは後を追いかけようとするのであるが、クルマのキーが見当たらない。何と医者の逃走は、バレた時には医者を殺そうと拳銃を隠し持っていたウェブの行動を疑ってキーを隠していたスーザンの計略であり、ウェブが、弁護士が法律を駆使して正当性を主張するように、警官は拳銃を‘駆使’して自身の正当性を主張しても構わないと弁明しても、自分の部屋の壁に自分が撃った人型の銃の標的を飾るほどに銃を持つと人が変わるウェブがスーザンの遺産相続の額まで知っていたことで、完全に信用を失う。
　ようやくキーを手に入れたウェブは医者の後を追うのであるが、既にパトカーが向かってきていたため、ウェブは逃走を図る。結局ウェブは警官に銃殺されることになるのであるが、いくら追い詰められたとはいえウェブは何故か銃で狙いやすい砂山に登るラストシーンが不可思議な光景として残る。
　本作の主題歌として「Baby」という曲が使われているのであるが、前半はもちろんスーザンのような女性を意味するとしても、キャリコで流れる「Baby」はスーザンが産む赤ん坊を暗示することになるはずで、ウェブが意図して銃で狙いやすい砂山に登ったとするならば、スーザンが手に入れた遺産相続を‘相続’する邪魔になる赤ん坊を殺そうと策略を巡らしていた自身に対する禊と見なすことが出来ると思うが、それが本作の監督であるジョセフ・ロージーと主役のイブリン・キースの間に起こったプライベートに関する出来事に対するロージー自身の禊であるのかどうかは寡聞にして知らない。

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北朝鮮の“フェイント”の意味

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　８日付の北朝鮮紙「統一新報」は、金正恩第一書記が行なうと表明した「国家的重大措置」

の決意に関して「アメリカなどは（北朝鮮が）３回目の核実験を行うと早合点し、強力な制裁

や先制攻撃を行うべきだとわめいている」と主張する記事を掲載していたにも関わらず、

１２日に、国営朝鮮中央通信を通じ、核実験を成功裏に実施したと発表したのであるが、

この“フェイント”に一体何の意味があるのか分からない。結局、アメリカの譲歩を引き出す

間さえ与えずに実験を行うのならば、強力な制裁や先制攻撃の可能性を排除しようがなく、

金正恩は本当に外交交渉の仕方を知っているのか怪しくなってくるが、アメリカが完全に

北朝鮮になめられていることは否めない。