原題:『Bungalow』
監督:ウルリヒ・ケーラー
脚本:ウルリヒ・ケーラー
撮影:ウテ・フロイント/パトリック・オルト
出演:レニー・ブルムマイスター/デヴィット・シュトリーソウ/トリーネ・ディルホルム
2002年/ドイツ
「理由なき反抗」から「偶然」へ
19歳のポールは自ら志願して兵役に就いたはずだったが、乗っていたトラックがファストフード店で停まり、すぐに招集がかけられて乗車しなければならなかったにもかかわらず、ポールはテーブルから立ち上がる機会を失った。無許可で離隊したポールはそのまま両親の別荘に行くと、兄のポールが恋人のレネと一緒にいるところを目撃する。兄や友人や元の彼女に軍に戻るように促されるが、それほど兵役に思い入れがないポールは、だからと言って他にやりたいこともなく別荘や周辺でグダグダ過ごしている。自慰の代わりのようにレネを求めるようになったポールの願いが叶い、近くのモーテルでレネと関係を持った後に、軍に出頭するつもりでおり、実際に連絡を受けてモーテルまで駆けつけた2人の兵士が乗っていた軍用車のそばで、行き違いになった彼らをポールは待っていたのであるが、たまたまそのそばで一時的に停まったタンクローリーに乗り込んでしまい、そのままその場を去ってしまう。大人に反抗するわけではなく、ただ目的を持たないまま若者が偶然に任せて行動してしまう現代の刹那が的確に捉えられていると思う。