原題:『White House Down』
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
撮影:アンナ・フォースター
出演:チャニング・テイタム/ジェイミー・フォックス/マギー・ジレンホール/ジェイソン・クラーク
2013年/アメリカ
「シー・エミリー・プレイ」
つい最近も『エンド・オブ・ホワイトハウス』(アントワーン・フークア監督 2013年)という作品を観たばかりで、その時はまだテロリストは北朝鮮だったから良かったものの(良くはないが)、今回はついに身内がテロリズムに加担してしまうことになる。
舞台はタイトル通りにホワイトハウスなのであるが、どうも脚本は大統領を揶揄するような内容で、例えば、第33代アメリカ大統領で、任期中にホワイトハウスを使用しなかったハリー・S・トルーマン専用の地下通路の存在や、第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディとマリリン・モンローが逢引するための地下通路の存在など本当か嘘か分からないようなネタや、主人公のジョン・ケイル以外に大統領の警護官を全て失ったジェームズ・ソイヤー大統領が、ジョンを救うために自ら銃を撃って相手を殺したり、ついにはロケットランチャーまで撃たされるところなどは悪意を感じるのであるが、個人的には嫌いではない。
思い返せば、ジョンが娘のエミリー・ケイルの機嫌を損ねた原因は、ジョンが日付を間違えてエミリーの旗振りのパフォーマンスを観に行かなかったことだったのであるが、ラストで3機の戦闘機に向かってホワイトハウスを攻撃しないようにと旗を振るエミリーの勇姿をジョンが見ることになることを勘案するならば、本作はエミリーの成長物語として見ることも可能であろう。