原題:『To the Wonder』
監督:テレンス・マリック
脚本:テレンス・マリック
撮影:エマニュエル・ルベツキ
出演:ベン・アフレック/レイチェル・マクアダムス/オルガ・キュリレンコ/ハビエル・バルデム
2012年/アメリカ
「あらすじ」のような脚本について
フランスに旅行に来ていたアメリカ人のニールはマリーナと出会って恋に落ちる。マリーナは夫と離婚して10歳になる一人娘のタチアナと暮らしていた。3人はニールの地元であるオクラホマに移住することになり、最初はアメリカの大型ショッピングセンターの物珍しさなども手伝ってタチアナもニールが新しい父親になることを嬉しがっていたのであるが、新しい土地に馴染めなかったタチアナはニールに不満を持つようになり、2人はフランスに帰国してしまう。フランスに帰国したものの、タチアナは父親に引き取られることになり、マリーナは一人で暮らし始める。一方、ニールは幼なじみのジェーンと付き合うようになるが、マリーナがオクラホマに戻ってきたことで、ニールはマリーナと結婚することになる。子どもを作ることに関して揉めた後、マリーナは大工のチャーリーと浮気をしてしまい、ニールに告白するのであるが、激怒したニールはマリーナを途中でクルマから降ろしてしまったりする。チャーリーの子どもを身ごもったかもしれないマリーナはニールと離婚してフランスに帰国してしまう。
2人の一連の行動に関わっていたカトリック教会のクインターナ神父は、殺人を犯したことを「それは太陽のせいだ」などと、相変わらずアルベール・カミュの『異邦人』の主人公のムルソーを気取ったような犯罪者を相手にしなければならないことに信仰に対する絶望を感じている。果たして本作におけるこのようなストーリー展開が恋愛物語のエッセンスと捉えるべきなのか、物語を練り上げる才能に欠けたものなのか正に「トゥ・ザ・ワンダー」なのであるが、似たようなものであるならば音楽にしても映像にしても前作の『ツリー・オブ・ライフ』の方が優れていると思う