原題:『World War Z』
監督:マーク・フォースター
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン/ドリュー・ゴダード/デイモン・リンデロフ
撮影:ベン・セレシン
出演:ブラッド・ピット/ミレイユ・イーノス/ダニエラ・ケルテス/ジェームズ・バッジ・デール
2013年/アメリカ・イギリス
「自死」を巡る様々な攻防
アメリカのフィラデルフィアで妻のカリンと、レイチェルとコニーの2人の娘といつものように迎えた朝に、突然パンデミックに襲われる主人公で元国連職員のジェリー・レインは、鋭い観察眼により、謎の疫病はゾンビに噛まれて感染し、12秒後に人間をゾンビ化させることを突き止める。発生源とされた韓国に向かうものの、原因は突き止められず、カレンによる携帯電話の音でゾンビが音に異常に反応することだけは分かった。イスラエルではいち早くゾンビ対策として壁が築かれていたが、尋常ではない数のゾンビの前では意味がなかった。ゾンビ化する寸前に女性イスラエル兵士であるセガンがゾンビに噛まれた腕をジェリーが切り落とし、ゾンビ化を防いだり、彼女と共に搭乗出来た民間機にゾンビが紛れ込んで、あっという間に乗客たちがゾンビと化した際に、ジェリーが取った行動は自分が乗っている飛行機を爆破することであり、ゾンビに襲われない方法として、自ら致死率の高いウィルスに感染し‘死んだも同然’となる振りをすることで、ゾンビと同じ仲間であることを示すなど、「自死」を巡る様々な皮肉が効いていると思う。続編では謎の疫病の正体が自然発生的なものなのか、人工的なものなのか明らかになるだろう。全体的には『宇宙戦争』(スティーヴン・スピルバーグ監督 2005年)とストーリー展開が似ているように感じた。