原題:『Star Trek Into Darkness』
監督:J・J・エイブラムス
脚本:デイモン・リンデロフ/アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー
撮影:ダニエル・ミンデル
出演:クリス・パイン/ベネディクト・カンバーバッチ/ザカリー・クイント/ゾーイ・サルダナ
2013年/アメリカ
「最新鋭」を活かす「原始的」振る舞いについて
作品冒頭はU.S.S.エンタープライズ号の乗組員たちがニビルと呼ばれる未開民族たちが住む惑星の火山活動を抑えるシーンで、スポックを救出したために規約に違反して住民たちにエンタープライズ号が目撃され、驚いた住民たちは地面に絵を描いて記録として残ることになる。このシーンは後に重要な伏線となる。ワープコアがずれたために制御不能に陥ったエンタープライズ号を修復するために、放射能が充満するエンジンルームに入っていったジェームス・T・カークは、ずれているコアを元通りにするために、例えば、かつてのブラウン管のテレビの映りが悪くなった時に、横を手で叩いて映りを直したように足で蹴飛ばしてコアを直してしまう。最新鋭の機器に囲まれた西暦2259年において、このようなユーモアのある原始的な行動を挿入することで私たちは改めて最新鋭を確認できるのである。