原題:『科学忍者隊ガッチャマン』
監督:鳥海永行
脚本:鳥海永行/鳥海尽三/陶山智
撮影:平山昭則
出演:森功至/ささきいさお/杉山佳寿子/塩屋翼/兼本新吾/大平透/田中信夫/寺島幹夫
1978年/日本
「ガッチャマン」の「ガッチャ」の意味
実写版『ガッチャマン』(佐藤東弥監督 2013年)を観るための予習として観てみたのであるが、テレビ版を無理に再編集したためなのか意外とストーリーが荒い。前半のV2計画を巡る主人公の大鷲の健と彼の幼馴染のサブの裏切りを経て、健が4歳の時に行方不明になった実父であるレッドインパルスの隊長との14年振りの再会と直後の別れの物語はまだしも、後半のコンドルのジョーをメインキャラクターに据えた物語は破綻していると思う。走行中にギャラクターに捕らえられ、ギャラクターの戦闘機に監禁されながらもジョーは驚異の身体能力で隊員たちを倒していくのであるが、ベルクカッツェがジョーに浴びせたサーチライトで何故か体力を奪われ、それでも飛行中の戦闘機から飛び降りながら変身することで、地上に無事に降りたものの、直後に背後から来た車とぶつかってしまい、気がつくと診療所のベッドの上で寝ており、医療機器が何もないところでジョーは過去に頭に受けた弾丸の破片による傷によって残された命が一週間から長くても10日であることを知り、無理を押してヒマラヤの奥にあるギャラクターの本部に乗り込み、最後はいつの間にか放っていた羽根手裏剣で地球の危機を救うことになるという荒らさである。アニメがこのような作風の上に、私の知る限り今のところタツノコプロ作品において成功している実写版はないので、それほど実写版にも期待していなかったのである(続く)。