MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ピンポン』

2013-08-22 23:05:27 | goo映画レビュー

原題:『Pingpong』
監督:マティアス・ルートハルト
脚本:マティアス・ルートハルト
撮影:クリスティアン・マロール
出演:セバスティアン・ウルツェンドスキー/マリオン・ミッターハマー
2006年/ドイツ

「ロマン」の終わり、「無調」の始まり

 父親をワイヤーによる首吊り自殺で亡くしたポールが叔父のシュテファンの家を訪れるところから物語は始まる。シュテファンの妻のアンナも息子のロベルトもポールの訪問を訝しく思っていたが、率先して庭の手入れやプールの修復などをしてくれるポールに対して3人とも少しずつ打ち解けるようになる。シュテファンの家族は一見するならば問題がなさそうであるが、受験のためにアルバン・ベルクの「ピアノ・ソナタ Op.1」を練習しているのであるが、緊張を和らげるためなのか絶えずアルコールを必要としている有様で、受験当日もアルコールを摂取してしまったために受験出来なかった。
 自分を無視したことに腹を立てて、ポールとロベルトが楽しんでいる最中の卓球台を無言で壊してしまうアンナを見て、‘ラリー’という他者との交流の否定と捉え、彼女こそこの一家の宿痾だと判断したポールは、アンナと肉体関係を持った後に、完成したばかりのプールに水を張ってアンナの愛犬であるシューマンを溺死させる。
 ポールの父親の自死とアンナの関係は明らかにされることはない。主に家庭を舞台としながら、親密であるはずなのに不透明な部分を明るみにしていこうとする試みが、いわゆる「ベルリン派」と呼ばれる作家たちの特徴だと思う。ポールの行為が‘脱法’の復讐だったのか、あるいはベルクのような「現代音楽」の困難さを理解しつつも、シューマンを殺すことでとりあえず「ロマン」は終わらせたのか解釈は分かれる。


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音楽の秘めた無限の可能性

2013-08-22 19:24:24 | Weblog

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 2006年9月のテレビ朝日の独占インタビューに藤圭子が答えている映像が流れていた。

藤は楽器や歌のキーが外れていても今では機械で調節してしまうことにひどく憤っていて、

「音楽は心でするものであり、そのような機械で作ったもので人を感動させる事はできない」

ということを語っていた。確かにライブなどではその通りではあるが、CDで聴くぶんには

楽曲が良ければ機械処理したものであろうと感動するものであり、だからAKB48は売れ

続けているはずなのである。音楽の秘めたあらゆる可能性を否定することは出来ない

はずであり、天才であるはずの藤圭子の歌手活躍が1980年を超えられなかった原因は

彼女が音楽に持つ“精神論”だと思う。


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