MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『フレンチ・コネクション』 90点

2012-11-25 23:52:16 | goo映画レビュー

フレンチ・コネクション

1971年/アメリカ

ネタバレ

執念の代償

総合★★★★☆ 90

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 本作の生々しさは、そのドキュメンタリー的手法による撮影方法のみならず、主人公のニューヨーク市警察本部薬物対策課に勤務する、通称ポパイと呼ばれるジミー・ドイル刑事の捜査手法にもある。ドイルが敏腕である理由は、巨悪の根源を捕らえようと目論むためであり、その結果による多少の犠牲は厭わない。例えば、自分をビルの屋上から銃殺しようと試みた殺し屋のニコリが列車で逃走した際に、目の前で次々と起こる交通事故も顧みずにクルマで列車の後を追跡し続けた末に問答無用でニコリを射殺し、アンリ・デヴェローの高級車からヘロインを見つけた際には、ドイルはアンリを捕まえることはせずに泳がし、彼らのアジトを特定することで一網打尽を試みる。しかし今回はドイルは首謀者であるアラン・シャルニエを取り逃がすどころか、仲間のマルデリッグ連邦警察官を誤って射殺してしまう。刑事モノの定番のようにラストで事件が解決されることがなく、逆に仲間を殺してしまうというバッドエンドがリアルなのである。
 ラストは定番で終わらないものの、本作は地下鉄の乗降を巡るドイルとシャルニエの駆け引きや、殺し屋のピエール・ニコリが乗車した列車をクルマで追いかけるドイルのカーチェイスなど、その後の追跡劇の雛形を作り出した。ドキュメンタリー的手法のためなのか、列車が「25番街」という駅を止まらずに通過してしまったために、それを不審に思った人たちが先頭車両の運転手に声をかけに行くのであるが、既に列車に乗ったニコリが運転室に入る前に拳銃で腹部を撃った黒人警官が倒れており、ニコリが拳銃で撃ってくることを知るならば、そう簡単に運転室から出てきたニコリに近寄らないはずで、黒人警官の存在が完全に忘れられているのであるが、不明瞭な演出はあるものの、傑作であることに変わりはない。


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TBSのいつもの“誤ち”

2012-11-25 00:39:18 | Weblog

安倍氏「日銀は独立、国債どう買うか彼らが決める」(朝日新聞) - goo ニュース

 16日のTBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ」で、画面に「強制わいせつ容疑

HNK森本アナ逮捕」と表示したテロップとともに、自民党の安倍晋三総裁の映像が

約2秒間流れた原因は、スタッフがボタン操作を間違えたからということであったが、

どうもこのようなTBSの“イメージ操作”は昔からあって、よりにもよってこのような時期に

上手い具合に間違えるところが怪しいのであるが、間違えられた安倍総裁本人は

土曜日の同番組に出演していたから、余り気にしていないようである。それで良いのか

確かにどうしようもないのであり、それこそTBSの狙いではあるのだろう。


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『悪の教典』 0点

2012-11-24 23:02:23 | goo映画レビュー

悪の教典

2012年/日本

ネタバレ

冷静と情熱の間のサイコパス

総合☆☆☆☆☆ 0

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 どうも高校の英語教師である主人公の蓮実聖司の人物像として「他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)」という説明が腑に落ちない。確かに子供の頃から両親にさえ危険視され、自ら両親を殺してしまうのだから、サイコパスなのであろうが、一見するならば他の教師とは上手くいっており、生徒たちからも「ハスミン」という愛称で呼ばれているのだから、「他人への共感能力をまったく持ち合わせていない」わけではなく、他人の気持ちを理解することは出来る。ただ自分の本性を見抜いた人間を殺すことに快感を覚えるということで、それが‘本物’のサイコパスと言えるのかどうか疑わしいのであるが、そもそもサイコパスに本物や偽物など存在するのかどうかも分からない。
 ラストシーンにおいて自動体外式除細動器(AED)のボイスレコーダーによる証拠で逮捕された蓮実のうわ言を聞いた夏越雄一郎が狂っていると言ったことに対して、片桐怜花が「狂っている振りをしている」と言い返す。果たして狂っている人間が狂っている振りを出来るものなのかどうか、つい先日2012年12月14日に、アメリカのコネチカット州のサンディフック小学校で小学校の児童20人を含む26人を射殺した20歳のアダム・ランザも自殺しているように、スクールシューティングの実行犯が必ずと言っていいほど自殺する原因は正誤の矛盾に耐えられないからだと思われ、最後に蓮実の周囲に一人も警官がいなかったことと同様に疑問が残るのであるが、続編で生き残った銃乱射事件の犯人がどのような言い分を持っているのか描かれるのであるならば、非常に興味深いものになるだろう。
 蓮実に投げて渡されたパンティの匂いを嗅いで、安原美彌のものだと言い当てる柴原徹朗は最低の男ではあるが、その直後に蓮実によって銃殺されるのであるならば、別の女生徒の名前を口にした罰とした方が面白かったと思う


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本物のアメリカンジョーク

2012-11-24 00:12:50 | Weblog

「バック転練習しようと」沖縄米兵が建造物侵入(読売新聞) - goo ニュース
漫画喫茶を全裸でウロウロ、米兵逮捕 公然わいせつ容疑(朝日新聞) - goo ニュース

 うるま市の軍用地等地主会事務所の敷地内に正当な理由がないのに侵入した建造物

侵入容疑で逮捕された、米海兵隊キャンプ・コートニー所属の1等兵グレゴリー・カーソンは

「ダンスが好きで、バック転の練習をしようとしていた」と供述しているようだが、バック転の

練習ならば基地内で出来るはずだし、横浜市神奈川区の漫画喫茶店内を全裸で歩き回った

として公然わいせつの疑いで現行犯逮捕された、在日米海軍横須賀基地所属の3等兵曹

ワイグル・オスカー・ヘイズは、「店内で放尿はしたが、全裸にはなっていない」と主張し、

全裸はダメだが放尿なら許してもらえると思っているような頓珍漢ぶりで、もしかしたら

これはいわゆる本物のアメリカンジョークなのかもしれない。


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『のぼうの城』 70点

2012-11-23 23:06:21 | goo映画レビュー

のぼうの城

2011年/日本

ネタバレ

武運に恵まれない理由

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 主人公の成田長親は城主である成田氏長の方針通りに、攻めてくる秀吉軍に無抵抗で忍城を明け渡すつもりでいたが、軍使の長束正家に、氏長の娘である甲斐姫も引き渡すように言われた瞬間に、その傲慢さに耐えられず一転して戦うことを宣言することになる。実は以前にも甲斐姫の刃傷沙汰を上手く処理していた長親は確かに甲斐姫を慕っていたのではあろうが、最後に城を明け渡す際に、呆気なく甲斐姫を豊臣方に引き渡しところを見ると、それは甲斐姫が想像していたような恋愛というものではなく、あくまでも嫁ぐ上で出来るだけ好条件を引き出すための方策だったことが分かる。
 意外と策士家であることが明らかになる成田長親の描かれ方とは対照的に、敵方の理知に富むと言われている石田三成の心理が不明確である。長束正家から報告を受けた三成は戦の勝敗以上に、2万人の大軍を相手に500人の軍勢で戦うという圧倒的に不利な状況において長親がどのように勝負を挑んでくるのか興味を抱いたはずであり、だから開城後、三成は興味津々に長親との会談に臨んだはずであるのだが、田楽踊りを踊る長親を三成が雑賀衆に指示して狙撃させたということは、長親を確実に殺そうとしたことになる。しかし三成が武運に恵まれなかった原因は余りにも理知が冴えており、興味が勝ちすぎて同様に頭脳明晰な武士を殺し損なっていたからだったはずで、ここでは三成自ら長親を狙撃しようとして意図的に急所を外すという演出が正しかったように思う。
 前半の戦のシーンにおいて、忍城を守るためにダミーとして備えられていた案山子が撃たれた際に、何故か血痕がカメラレンズに付着する。勢い余って血痕がレンズに付くという演出はあってもいいと思うが、案山子が撃たれて血痕が付くという意図が不明なのであるが、そのような瑣末なことはともかく、敵方が水攻めを仕掛けてくることが分かっていながら、忍城内で何も対策をとっていないことはやはり不自然であろう。


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スネ夫になれなかった鳩山

2012-11-23 00:05:47 | Weblog

「民主党の原点」「低迷の元凶」…鳩山氏の功罪(読売新聞) - goo ニュース

 鳩山由紀夫に関してはさんざん悪口を言ってきたものの、政治家としての才能は認められ

ないが、良い人であることは間違いないと思う。良い人過ぎて色々な人の意見を取り入れ

ようと無理をした結果、政策のつじつまが合わなくなってしまったのだと思う。今回の衆議院

選挙の不出馬という決断はやむを得ないとしても、大金を投じて自分が作った政党から

公認を得られなかった鳩山由紀夫の有様は、野田佳彦という“ジャイアン(=剛田武)”に、

高価なおもちゃを盗られた“骨川スネ夫”のように見えてしまうが、むしろスネ夫くらいに

狡知であれば良かったのにとも思う。


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『ワーキング・ホリデー』 0点

2012-11-22 20:42:35 | goo映画レビュー

ワーキング・ホリデー

2012年/日本

ネタバレ

映画とテレビドラマの違いについて

総合☆☆☆☆☆ 0

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 新宿歌舞伎町でホストとして働く主人公の沖田大和のもとを訪ねてきた神保進は、今度小学校6年生になる自分は沖田の息子だと名乗り、3月25日から4月5日までの親子の同居が描かれることになる。
 いちいち指摘していられないほどツッコミ所満載なのであるが、例えば、リアカーを引いて荷物を運んでいる大和が最初に訪れたアパートの住人は留守であり、次に訪れた西野亮廣と忽那汐里が演じるカップルのマンションで印鑑を巡るトラブルに遭遇し、その後にアパートの住人からまだ荷物が届いていないというクレームを受け、再びアパートに行って呼び鈴を鳴らすのであるが、出てくることはなく、一緒にいた進がドアをノックして女性の住人が出てくることで呼び鈴が壊れていたことが判明する。詳しい説明は必要ないと思われるから省略するが、ギャグに関するならばマンションとアパートの住人は逆だと思う。
 そのようなギャグのレベルならばたいした問題ではないのだが、映画として致命的なミスを見過ごすわけにはいかない。大和が息子のために買った高価な黒いリュックは何故か進には気に入ってもらえなかったのであるが、新学期が始まるために母親のもとに戻った進は大和にプレゼントしてもらった黒いリュックを背中に担いでいる。しかし宅配便の荷物を入れるオレンジ色の箱をリアカーで運ぶ大和と、同じようなオレンジ色のリュックを担いで学校に向かう進がダブってこそ、お互いに理解し合えた親子というイメージが形作られるはずで、だから進が黒のリュックを好まなかったはずなのであり、結局、進が黒のリュックを背負っているというショットは、物語的には正しくても、映像的には失敗していると言わざるを得ない。つまり本作は映画ではなくテレビドラマなのであり、わざわざ映画館で本作を観る意味を見いだせなかった次第である。


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ハングリー精神の枯渇

2012-11-22 00:28:20 | Weblog

とも~みガチ馬ご褒美はCDライブ写真集(日刊スポーツ) - goo ニュース

 AKB48の河西智美が、バラエティー番組「いきなり黄金伝説。」の企画「芸能人節約

バトル1ヶ月1万円生活」を途中リタイアしたことについてはもはや記憶に新しいことでは

ないのだが、「常にカメラに撮られながらの生活になかなか馴染めずにいた」という河西の

言い訳はアイドルである以上、鵜呑みに出来るようなものではなく、結局、JRA「AKBの

ガチ馬2 リベンジ」CM出演、CDソロデビュー、ソロデビュー記念ライブの開催、ソロ写真集

の発売決定の上に、ラジオでソロ冠番組まで持つのに、いまさらひもじい思いをしながら

1ヶ月1万円で生活することがバカバカしくなってくるという思いは理解できる。


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外食店選びに失敗しないために

2012-11-21 20:40:03 | Weblog

約8割が外食の店選びで失敗した経験あり。理由は「料理がおいしくない」(マイナビニュース) - goo ニュース

 私はほとんど外食はしないが、外食をするとするならば必ず行きつけの店に行くことに

している。サイゼリアか日高屋なのだが、要するに確実に安くて美味しいところである。

よくよく考えてみるならば、例えば、300円程度で美味しく食べられるドリアがあるとして、

他の店では3000円で特上のドリアを提供していると仮定して、値段が10倍するから味も

10倍美味しくなっているということは絶対にありえず、美味しさの点で言うならば、せいぜい

1.5倍くらいの美味しさしかなく、残りの2700円分の“特上”は無駄でしかないのである。


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『ドント・ルック・バック』 80点

2012-11-21 20:19:25 | goo映画レビュー

ドント・ルック・バック

1967年/アメリカ

ネタバレ

「ドント・ルック・バック」の真意

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 作品冒頭は現代のミュージック・ビデオの先駆けとも言われる「サブタレニアン・ホームシック・ブルース(Subterranean Homesick Blues)」が流れるのであるが、改めて見直して、曲が終わると同時にボブ・ディラン本人のみならず、彼の右後ろで会話をしていた二人の男が話を終えて去っていく様子を勘案するならば、ディランがめくっていた紙に書かれていたことは詩人のアレン・ギンズバーグが相手の男に語っている言葉であり、漫画の吹き出しのような役目をしていたことが分かる。
 それにしても1967年に記者に対する居丈高な自分の姿が映っている映画を、イメージダウンも恐れずに公開するということはよほどの覚悟が必要だったと思う。本作でも見られるように、ディランは散々歌詞の意味を訊かれ、彼のファンたちが歌詞の意味を理解していると思うかというような似たような質問を何度もされていたに違いない。このような終わることのない無意味な煩わしさを払拭するために、もちろんファンサービスをしているカットも忘れずに盛り込みながら、ラストで新聞記事を利用して自ら喧嘩腰のアナーキストのようなイメージを付けようとディランは本作の公開に踏み切ったように思われる。つまりタイトルの「ドント・ルック・バック」とは「過去を振り返らない」という意味ではなく、これから「とんとん拍子にいく」という意味に取るべきなのであろう。


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