(快速急行神戸三宮行き@大阪難波駅)
阪神車(阪神1000系)で運行される快速急行。阪神なんば線の開通に伴って、奈良と神戸三宮が一本の列車で結ばれるようになりました。JRの新快速が姫路の先の播州赤穂から北は敦賀、東は米原辺りまで勢力を拡大していることから比べればまだまだささやかなフィールドではありますが、キタの梅田に行く電車だった阪神電車がミナミへ乗り入れることの意義と言うのは結構あると思うんだよなあ。なんば周辺から神戸三宮方面って今までだったら一回梅田界隈まで出ないといけなかったからね。
生駒山地を生駒トンネルで抜け、大阪東部を高架線でスイスイと走り大阪難波へ到着した快速急行。大阪の中心部を地下で潜り、西九条から地上に出て昔の阪神西大阪線のルートへ入ります。一昔前は尼崎から西九条までを機織りで結ぶ末端路線で、本線から落ちたちょっと古めの電車が使われていた路線でもありますよね。伝法を通過すると新淀川の鉄橋。淀川の鉄道橋としては一番下流に当たる事もあり、水都大阪の名前に恥じぬ豊かな川幅。
快速急行は尼崎に到着。近鉄奈良から6+2の8両で走ってきた列車は、ここで増結の後部2両を落として6連単独の運行になります。阪神本線内は6連が限界なので(そうなんだ!)追い出しをかけられた客が渋々前の6両に移る。ただ連結を解放するだけなら楽なんだろうけど、6+2の間を貫通路で繋いで通り抜けられるようにしているため、連結解放の跡に幌とか渡り板の収納までやらなきゃならないのがちょっと面倒ね。関東私鉄は併結車を貫通路でわざわざ繋がないけど、関西私鉄はちゃんと繋ぐイメージがあるよね。関東で貫通路まで繋ぐの東武電車くらいだよ。だから東武は関東の関西私鉄だと思うんだけどね、
直通特急の連結解放作業を一通り見学したり、梅田行きの区間運用に入っているジェットカーを眺めたりした後に、山陽電鉄方面直通特急山陽姫路行きにお乗り換え。お、今度は山陽の5030系で来ました。出来れば阪神電車の区間を乗るなら阪神の車両が良かったんだけど、いちいち待ってても進まないので乗る事にしましょう。
グレーのアルミボディに赤の帯を締め、山陽の5030系が阪神線内をぶっ飛ばします。阪神本線の沿線と言えば1995年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けた地区ですよね。今年で阪神淡路から20年経ちましたけど、1月の冬の朝、起きた自分の目に飛び込んで来た映像には衝撃しかありませんでしたねえ。阪神電車自体も総保有車両の3分の1が被災して、高架の石屋川車庫が潰れてひっくり返った電車の映像を覚えていたり。
阪神電車は脆く崩れやすい六甲山系の花崗岩質の土壌に柔らかい川砂で作った盛り土の区間が多く、地震の揺れにはとても脆弱であったために被害が拡大したと言う話を聞いた事があります。現在では芦屋~青木(おうぎ)間を含めかなりの区間で立体化工事が施工されていて、下り線はすでに高架化されているところも多いようです。当然耐震性などを十分に加味した上で、街づくりにプラスして災害に強い軌道作りとなっているものと思われます。昨今の情勢を見るに、地震に対しては予知が難しい以上、備えをする以外に対策はないでしょうからねえ。