青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

土休日 暮れは休みの 本町線。

2021年12月12日 17時00分00秒 | 伊予鉄道

(一応登城してみた@松山城天守閣)

日本百名城の一つである松山城。松山まで来て、伊予鉄だけ追っ掛けてもしゃあないので、一応リフトに乗って登城してみました。天守の上までは時間がなかったので行けなかったんですが。道後平野の真ん中、ポコッと100mくらい高くなってる場所にあって、地形的に城にしてくださいと言わんばかりの山城。松山市街と瀬戸内海の見晴らしが素晴らしい城です。

松山城から松山市駅方面。観覧車の「くるりん」が良く見える。自分が登った時はちょうど雲が湧いちゃっててあんまり光が回ってこなかった。右側の奥にあるのが「坊っちゃんスタジアム」ですね。確か一回オールスターやったよね?正岡子規の野球殿堂入りかなんかで。そう言えば、来年の2022年もオールスターは福岡ドームと松山でやると言っていたな。それまでに観客制限なんかが解除されてっといいけどね。

松山城を降り、徒歩で上一万の電停へ向かう。50形の環状線の内回りに揺られて。鉄砲町、高砂町、清水町、木屋町・・・と味のある電停を一個一個。木目の美しい壁と床、コロナ対策で開けられた窓を通して聞こえてくるのは騒がしいツリカケの音。そして、風に乗ってワニスの香りがすぅーっと鼻をくすぐる、穏やかな平日の昼下がり。

本町六丁目駅で、本町線へ乗り換えます。路線が開通したのは昭和30年代後半と伊予鉄市内線の中で一番新しい路線なのですが利用者が少なく、その存在理由がなんとなく希薄になっている路線です。高頻度運行を是とする市内電車の割にはご覧の様に運行ダイヤはスッカスカ、日中では2時間半も間隔の開く時間があるし、コロナ禍で昨年からは土休日と年末年始の運転を取り止めてしまって、サラリーマンのような勤務体系になってしまいました。すぐ西に環状線が走っているし、中途半端な位置で終点になっているし、本数は少ないし・・・という感じなのかなあ。

ホームから本町線の終点を眺める。ホームってったって国道の真ん中に狭いアスファルトの段差が細長くあるだけで非常に頼りなく、終点ってったって建てられたポールに車止めと架線終端標識がぺしっと張り付けられているだけだ。終点の向こうの環状線を75号車が往く。駅としては接続していてもレールは全く交わらないこの両線、ひょっとして環状線とくっついていたらまた利用方法も変わっていたかもしれないけど、古町とかJR松山駅前を経由しないからダメか。

国道の車の波をかき分けるようにして、本町線の電車がやって来ました。12時台の便はこれ一本、ここからは15時台まで40分間隔の運転が続きます。一日15往復にも満たないという路面電車としては極めて少ない本数で、東予地方へ繋がる大動脈である国道196号線を走っているのが本町線。走って来た2100形も何だか申し訳ないなあという感じで、クルマに遠慮しいしいゆっくりゆっくり近づいてきます。

12:40本町六丁目発の市駅行き。乗車客は私一人。運転士氏のアナウンスを独占しながら、松山市内の目抜き通りとも言える国道上を淡々と走ります。電停名も本町六丁目から五丁目・四丁目・三丁目・一丁目とカウントダウン型の無機質なもの。三丁目で妙齢の女性が一人乗車して来たのだが、狙って乗って来たのかたまたまなのかは不明。三丁目からお堀端に出た電車は西堀端電停の先で大手町からやって来た環状線と合流し、南堀端電停にて下車。・・・という特に感想の無い10分ちょっとの本町線の乗車にて、伊予鉄市内線は完乗となりました。

南堀端電停にて、再び本町六丁目方面に向かう2100形を。市駅から南堀端の間はイチョウ並木が色付いていてきれいでしたね。背後に聳えるのは、今年の12月に新規オープンする「レフ松山市駅(byベッセルホテルズ)」。福山市の工具メーカーである株式会社ベッセルが出資する新興ホテルグループで、西日本を中心に展開を広げているらしい。関東でも京成線沿線には結構あるみたいなんだけど、正直初めて聞きましたね。いよてつ高島屋に続いて、市駅の新たなランドマークとなるのかどうか。


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