(端正な佇まい@東三日市駅)
議事堂を思わせる、広い緩斜面の外階段の上に載った東三日市の駅。寺院やお堂のようにも見える。黒部の街の目抜き通りから一本入った場所にあって、駅前には黒部市民会館の大きな建物と、その周囲には小さな商店がこまごまと続いております。駅近くの食堂やお肉屋さんから、そろそろ開店の仕込みを始めようかなと、店主の声と奥さんの笑い声。そしてガチャガチャとした物音が聞こえる、そんな雰囲気の朝。
商店の宣伝が入った駅近隣の地図看板。駅へ続く道の踏切が閉まり、紫陽花の垣根の脇から、60形の宇奈月行きが顔を出した。先日検査を受けたばかりの14761F。床下の塗装もまだ真新しくピカピカではあるのだが、なぜか片目だけ14720準拠になっている尾灯だけは直されないまま。
東三日市の駅で、市内へ通学する学生を吐き出す60形。モルタル・レンガ・トタン・瓦屋根と色々な部材で構成された開業当時からのレトロモダンな駅舎と、地鉄の最後の自社発注車である60形を力強い前パン側で組み合わせてみる。自分の中での良き×良き、という感じの一枚で、どうって事はない構図なんだけども個人的な満足感の物凄い高い一枚です。というか、こういうのを撮りに何度も何度も富山まで来てるってのはあるんだなあ。
スンとした風吹き抜ける待合室で缶コーヒーを飲みながら、ああでもないこうでもないとカメラを転がす。SNSでハートのマークを貰うために、速報性だけが価値の大して好きでもないネタを追い掛け回したり、人気のある被写体ばかりに走りがちな昨今。素直に自分が好きだなあって思える被写体を、衒うことなくカシャッとやれる幸せを感じます。
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