青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

東武の美意識を纏いて

2020年05月03日 15時00分00秒 | 東武鉄道

(嗚呼美麗的復刻塗装@東武日光駅)

改めて頭端式ホームの反対側に回り込み、リバイバル4連をじっくりと鑑賞。掃除してる係員のおっちゃん以外に、人っ子一人いないホームで撮影する機会に恵まれた幸運に感謝せねばなりません。南栗橋で貸切の個人撮影会とか頼んだらいくら取られるんだって話ですよ。面には光が回りませんでしたが、ちょうど誂えたようにレールの手前まで昼の太陽光が差し込んでいて、東武鉄道の美意識とも言えるマルーン&カフェオレのツートンカラーのボディと、床下にずらりと並んだ抵抗器が輝いていました。

リバイバル塗装を施された両編成。6050系は、廃車された6000系の機器を流用し新造車体を乗っけたグループと、足回りから何から完全に新造されたグループに分かれるのですが、ここでは、日光側のクハ6279+モハ6179が完全新造型、浅草側のクハ6262+モハ6162が機器流用型となっています。台車の微妙な違いにそこらへんの差異が見て取れますが、やはり旧6000系の東武らしい大きな枕バネのミンデンドイツ型台車を履いた6179Fが魅力的ですなあ。載せ替えの車体は東急車輛で作ったそうで、これはどちらも変わらず。

山小屋風の東武日光の駅舎をバックに撮影を続けていると、4番ホームに500系リバティけごん28号が入線して来ました。リバティ&リバイバルのコラボは、後ろには雪をかぶった男体山とあいまって絵になるシチュエーションですねえ。リバティは分割併合運用前提の3+3の6連なので、下今市で会津田島行きと分割されて3連で東武日光までやって来ます。思えば会津快速から自らを追い出した張本人なのが500系ですが、肩を並べた6050系は何を思う・・・。案外もう歳だから、「鬼怒川から先なんか冬は寒いし、トンネルばっかだからもう行きたくねーよ!」なんて思ってたりするのかもね(笑)。

リバイバル編成の車内は、一般色の紅系のモケットとは違い、わざわざ往時の6000系と同じ明るいブラウンのモケットに変えられています。整然と並んだボックスシートと、天井に一直線に並んだ照明とラインデリア。暖かな日差しが射し込む静まり返った車内。窓際の座席に腰かけて目を閉じ、かつては5700系が、在りし日は6000系が、「快速たびじ」や「修学旅行」や「林間学校」などの様々なヘッドマークを付けてはるばる浅草からこの駅まで走っていた時代に思いを馳せます。東武鉄道という会社は関東の大手私鉄の中でも極めてトラディショナルなイメージがあるんですが、その歴史の中の列車たちの姿は、今見ても惚れ惚れするような美しさがあります。


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