青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

居住性活用術

2020年05月01日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(伝統の色を身に纏い@下今市駅)

突如として目の前に現れたリバイバル2連×2の東武日光行き。6050系でリバイバル塗装になっているのは6162Fと6179Fの2編成なのですが、日光線系統のローカルでは2連の運用も多く本来であればバラバラに運用されていておかしくありません。沿線のファンから、やれくっついただのバラされただのと目撃情報があるのを知ってはいたのですけど、運よくこの日は6162+6179がタッグで運用に入っていたようです。日光快速伝統のマルーンベースのツートンカラーが渋いっすねえ・・・

下今市の駅では、東武日光方面にスイッチバックするのと、乗務員交替のために暫くの停車時間がありました。以前は東武日光と鬼怒川温泉方面をそのまま結ぶような普通電車の運用はなかったように思うのですが、東武鉄道の施策として日光・鬼怒川地区の回遊性を高める・・・という目的で、鬼怒川~日光間の列車が増発されているようですね。ちなみにこの列車は新藤原10時29分発→鬼怒川温泉10:38着11:01発という大きなインターバルを取りつつ、新高徳で交換4分、大桑で交換4分、そして下今市で方転5分の停車があるのんびりとしたスジ。車内には鬼怒川で泊まったと思われる外国人観光客の姿がありましたが、今思えばまだこの時期はちらほら外国人も乗っていたんですね。

とりあえず東武日光までリバイバルカラーに記念乗車。下今市を出た電車は、一直線に男体山に向かって日光への急勾配をゴンゴンと登って行きます。あまり意識したことがないのだけど、標高380mの下今市から標高538mの東武日光までは約7kmで150m余りの標高差があるのですな。東上線を含めて、基本的に関東平野のだだっ広いところを走っている印象の東武電車ですが、この区間と鬼怒川線の鬼怒川公園~新藤原だけは山岳電車の趣がありますわな。

下今市から10分足らず、リバイバル4連は終点・東武日光駅に到着。東武日光駅のホームは本屋側にある4両限界の1・2番線ホームと、特急が止まれる6両用の3・4・5番ホームがVの字に開いて配置されていますが(構内図)、リバイバル編成は有効長の長い特急用のホームに停車しました。まばらな乗客が足早に出口に急ぎますが、もとより何の用事もない私とリバイバル4連だけが残されました。

時間は昼の12時ちょっと前。なのですが、この電車はどうやら東武日光で2時間半のインターバルを取るらしく、リバイバル編成の折り返しの発車はなんと14時29分(新栃木行き)。間合い長っ!。ホームには乗客の誤乗防止のため注意喚起のコーンが置かれていましたが、どうして東武日光でこんなに長い間合いを取るのかと言うと、どうも改札内にトイレがない東武日光駅でのトイレ&休憩所代わりという意味合いがあるのだそうだ。なので、2時間半の留置中もドアを締め切る事をせず、車内はずーっと開放されております。現役車両がそーいう用途で留置されるってあんまり聞いたことないんですが、なんだかテッパク(鉄道博物館)の中庭に置かれてる189系みたいではないか(笑)。

ただ、よくよく考えてみると、6050系を休憩所代わりにしてしまうのは、「ボックスシート・トイレ付き」というこの車両の居住性を最大限に活用した使い方なのかもしれない。こちらとしても、折り返しまでの時間が長い分ゆっくりとリバイバルカラーを眺める事が出来る訳で、願ったり叶ったりである。とりあえず、人気のないホームのベンチでリバイバル編成を眺めながら缶コーヒーを一本。飲み終わったら、ひとり撮影会と洒落込むことにしましょうか。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聞くは一時、聞かぬは一生。 | トップ | 東武の美意識を纏いて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

東武鉄道」カテゴリの最新記事