(会津の西の玄関口@会津坂下駅)
会津盆地の西側に位置する会津坂下町。人口1万6000人の町の玄関口に当たるのが会津坂下駅。すっきりしたトタン屋根のシンプルな駅舎ですが、入口横の丸ポストがいいアクセントですね。明治の時代に開通した中央西線に坂下(さかした)駅と言うのがありますので、こちらは旧国名をかぶせて会津坂下(ばんげ)駅。地元民でもないと、一見で読むのはちょっと難しい地名でしょうか。
会津坂下駅は2面2線の相対式ホーム。少し互い違いに配されたホームの間を、構内通路が結んでいます。構内通路で結ばれたホームというものが珍しいわけじゃないですけど、ホームの真ん中を切り欠きにして階段で上り下りするタイプって今の時代かなり珍しいのではないだろうか。この手の切り欠き型の構内通路だと、長い編成の列車が入って来た時に通路が遮断されてしまいますのでね。
列車の到着時間が近づいて、フライキを持った駅長さん(だよね?)がホームに現れました。現在は自動閉塞化されていますが、ほんの少し前まではタブレット交換で閉塞を扱っていた只見線。その時代であれば、ホームをタブレットの輪っかを持った駅長さんが行き来する光景が見られたんだろうな…なんて思いながら、ここで狙うは424Dと425Dの交換風景。それにしても、切り欠きの構内通路に初老の駅長さんがフライキを持って立っているという光景が何ともザ・ローカル線という感じ満点で、日本にもまだこんなところが残っているのだなあと感心するばかり。
会津川口発の朝の二番列車424Dが、ゆっくりとポイントを直進して入線して来ました。絶対的に本数の少ない只見線にあって、現在のところ只見線の中間駅で交換風景が見られるのはここ会津坂下と会津宮下のみ。あと西若松もあるけどあそこは会津鉄道も絡むからなあ。勿論以前は会津川口でも只見でも交換はありましたが、平成23年夏の福島豪雨により両駅の間は寸断されたまま。よって交換風景を見る事は出来ません。
鈍く輝くトタン屋根の下、進入してくる列車を真剣な眼差しで出迎える駅長さんの凛とした立ち姿。そんな駅長さんの後ろには、今や役目を終えて使われなくなった赤いタブレット閉塞器が保管されています。閉塞の方法が変わっても、日々の安全を守る立場と気持ちは同じ。そんな鉄道マンのプライドと心意気を感じる、会津坂下の朝です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます