青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

奥会津に生きる

2018年06月05日 17時00分00秒 | 只見線

(秋の実りを祈って@会津中川駅遠景)

会津中川駅を見渡すあぜ道で構えていたら、ぴょこっと頭を下げて農家の方がフレームイン。どうやら農作業の時間らしい。そもそもこちらの方がヒトサマの土地で図々しくも生活の場を撮り荒らしているとも言えるのに、えらい丁寧な方だなあと感心しきり。田植え直後の田んぼの見回りは、畦の草を摘んだり、水路の間仕切りを確認したり。毎日何かと手間のかかるのが農業。


9時半過ぎの425Dが到着して、一人の乗客が下車して来ました。会津中川の駅は小さな木造の風情のあるものですが、ここからの角度だと農業倉庫の方が大きくていささか目立ちません。現在は単式ホーム一線のみの会津中川の駅は、線路を渡ってやや離れた位置に駅舎があります。駅舎とホームの間には、かつては貨物ホームと側線があったそうで、おそらくC11の貨物列車とかがやって来ては、集落で採れた農産物を積み込んでいたのでしょうな。農業倉庫の位置を見るとなるほどなあと思いますよね。


中川の駅前には大きな桜の木があって、それこそ花の時期は只見線を愛する写真家たちの格好の題材。そんな桜の木も、春を過ぎてすっかり青葉の季節。終点の会津川口まではあと少し、大きなエンジン音を里に響かせ、キハ40が重そうな車体をブルブルと震わせながら中川の駅を後に。

農家の方は、去って行く列車の姿に脇目も振らず、農作業を続けています。
奥会津で生きる人々の日々の営み。忙しなく動き回る編笠に、秋の豊作を願うのみです。
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