(初鹿野の黄昏時@甲斐大和駅)
勝沼の甚六桜を夕刻まで愛でた後の帰り道、甲斐大和の駅に寄ってみる。笹子峠の甲府側の玄関口で、勝沼よりもかなり標高の高い位置にあるこの駅も、掘割のホームを囲むように咲く桜があります。南アルプスに太陽が沈み西の空が紅く染まる頃、小淵沢行きの普通列車が中線に静かに進入して来ました。
狭まる日川の谷に、甲府盆地がいよいよ笹子峠に向かって終わりを告げる山峡の甲斐大和駅。長篠の戦いで敗れた武田氏の一族が、落ち延びながら織田・徳川の軍勢に止めを刺されたのがこの辺りだそうですが、地形的にもさもありなんといった感じ…勝沼では満開だった桜も、さすがにここではまだ七分咲き。長い退避時間に飽き飽きとした乗客が、夕暮れのホームで背伸び。目に映る桜に驚いて、思わずスマホを手に取った。
夕焼け空に二条のレールは鈍く光って、特急かいじが軽やかに通過して行きました。
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