青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

マルーン色のコーヒーブレイク

2015年08月29日 16時36分16秒 | 阪急電鉄

(「神戸」三宮駅駅名票@阪急神戸線)

神戸電鉄訪問を終え、三ノ宮のカプセルホテルに入り込んだのが23時前。さっさと寝ようと思ってカプセルにこもり電気を消したのだが、意外にも体は疲れてても神経が冴えてしまって眠れないもんですね。ってかカプセルはやはり静粛性と言う点では劣るので、他のお客さんの声なり足音なりが結構気になるものです。


夜中じゅうウツラウツラみたいな中途半端な状態なので、夜が明けたらとっととカプセルホテルを出てしまった。この日は大阪方面に向かう予定ですが、行きがけの駄賃と言う事で阪急電車も少し撮ってみようかと思ってたんよね。早朝の阪急三宮駅。JRは「三ノ宮」、地下鉄は「三宮」、阪急は「神戸三宮」と同じ場所にあってもその表現は三者三様です。阪急は、車内放送や案内表示でも「神戸三宮」「大阪梅田」「京都河原町」と駅名を分かりやすいように大きい地名を被せているというのが特徴的。

 

「阪急電車にご乗車ありがとうございます この電車は普通 大阪梅田行きです 西宮北口まで先に参ります…」阪急伝統の深い緑のモケットのシートに座り、高架駅の神戸三宮を離れると、しばらくJRと並走。王子公園の手前でJRと別れると六甲、そして御影に到着。ここで下車。六甲山系は花崗岩で出来た山で、切り出された花崗岩は古くから多くの建築物に利用されてきました。ここ神戸市東灘区の御影から切り出された花崗岩が「御影石」と言う事になります。


駅から歩いて10分弱、中学校の南側にある踏切が神戸本線でも有名な撮影地と言う事で立ち寄ってみた。正式名称を「有馬道踏切」と言うそうな。三宮方向から緩く上って来るSカーブで8両編成の車両がカチッと決まる構図は確かに!って感じがしますね。立ち位置如何では標識類を交わすことも出来るみたいですが、そうすると踏切を通行するクルマにちょっと邪魔になりそうだったので踏切の脇っちょから。アウェイですんで控えめにね(笑)。案外車通り多かったし。


阪急神戸線の梅田方は大抵の車両が前パン。昨日に引き続き前パン祭りです。モーター音も高らかにSカーブを走り抜ける神戸本線のエース7000系特急大阪梅田行き。貫通路に大きく振られた車体番号、赤い特急の方向幕。阪急はどの車両も塗装に関しては頑固一徹伝統のマルーン一色ですが、これぞトラディショナルというものでしょう。

  

基本的に同じ構図で撮るのみなので、やって来る車両をババババンと撮ってしまうだけなのですが、8000系と一口に言っても前面形状とかデザインとか事細かに違ってたりするので、ちょっとした間違い探しのよう。シングルアームに換装されてたり、車体番号の位置が違っていたり、前照灯がLEDに交換されていたり…自分にはそこまでこだわりはないけど、阪急マニアはここら辺の違いを掘り下げてあーだこーだ言うのが楽しいんでしょうねえw


エース7000系もリニューアル車になるとツラからして全然違ったりするのね。それにしても前照灯がLEDってのは正直写真映りが悪い。もう最近どこの会社も行き先表示をLEDにしてるから文字が映らないのも困りものだけど、前照灯までLEDにするこたないんじゃないかね。


阪急の車両と言えばグループ子会社であったアルナ工機で製造されるのが通例でありましたが、アルナ工機の鉄道車両製造からの撤退(軌道車輛のみ存続)に伴って日立製作所で製造されるようになったのがこの9000系。基本的には8000系の額縁デザインを踏襲しておりますが、ちょっと下がり眉の困り顔になってしまいました(笑)。このアルナ→日立と言う製造会社の遷移は、同じようにアルナを車両新製の主力会社としていた東武鉄道にも当てはまりますね。


現在の神宝線系統の最新車両である1000系。リラックマトレイン。9000系以降の日立車は、日立製作所の通勤型鉄道車両の基本製造技術である「A-train」として作成されています。Aトレってなんなんすか、って細かい説明はしないのだけども、アルミ板を細かい溶接で張り合わせて作っていた従来のアルミ車両と違い、箱型二重構造の鋼材を使う事によって溶接回数などを極端に減らし、劣化を防ぎ保守管理を容易にした車両って事です。関東でも西武のスマイルトレインとか東武の50000シリーズとかに導入されてますね。

 

有馬道踏切で小一時間ほど阪急撮りを楽しんだので、御影駅から大阪方面に移動。岡本から特急に乗り換えて西宮北口、十三を出ると神戸宝塚京都の3複線で淀川を渡り、大阪梅田のターミナルに到着します。普段使っている人にしてみたらどうってことない日常の風景かも知れないけど、10面9線の圧倒的なるターミナル感は関東もんにはすげえの一言でしかない。1号線から9号線までズラリと並ぶ出発信号機。広角16mmでもその全貌は抑える事は出来ません。東側から1~3号線が京都本線系統、4~6号線が宝塚本線系統、7~9号線が神戸本線系統のホームとなっております。


ひっきりなしに発着が行われるホームを歩き、その壮大さにいちいち驚きながら京都本線のホームに行くと、おおなんと憧れの阪急6300系が!京都本線筋の優等から引退し、現在は短編成化され嵐山線の折り返し運用の身になっている形式ですが、唯一6連化された編成が「京とれいん」として土休日ダイヤのみ大阪梅田と京都河原町を結ぶ観光快速特急として活躍しています。自分の阪急電車のイメージは、京都本線のクイーンとして運用されていたこの6300系なんだよなあ。車端のみの2ドア、尾灯の回りの銀帯飾り、オリーブモケットの転換クロスは「優等専用車」と言うプレミア感がありましたよね。


今度は京都本線用ホームの1号線から梅田駅の全景を撮ろうと試みるも…何だか広すぎて良く分からない写真になってしまった(笑)。そもそも全景と言われてもこっから9号線までは遠くて見えません。この広い広いホームの真上には、平成24年にリニューアルオープンした地上13階地下2階の阪急百貨店が聳え立っておりまして、さすが民鉄王・小林一三が仕上げた日本一の私鉄ターミナル駅である。


そんな阪急電車の大阪梅田駅を改札脇にある喫茶店「cafe LILAS」から眺める。店としては普通の喫茶店だが、窓際の席から梅田のターミナルの全容を見渡しながら飲むアイスコーヒーは至高。ここいっぺん来てみたかったんだよなあ。朝食代わりに頼んだホットドッグもウインナーがパリパリしていて美味。時間があれば1~2時間くらいは平気でここで時間潰せそうだわ(笑)。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お盆関西見聞録その9 準大... | トップ | お盆関西見聞録その10 永遠... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

阪急電鉄」カテゴリの最新記事