青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

これからの主役たち

2020年09月24日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(普通103レ・宇奈月温泉行き@寺田駅)

平成25年に、地鉄初のステンレスカーとして2編成が導入された17480形です。もとはと言えば東急の大井町線で走っていた8090系。地鉄の車両構成は、自社発注車の14760形を中心に、譲渡車は京阪の3000系と西武の5000系レッドアローという昭和の鋼製車なラインナップで安定しておりましたので、東急のステンレスカーが入って来るのを聞いたときは「とうとう来るべき時が来たか」みたいな何とも言えない感慨を覚えましたよねえ・・・とりあえず朝5時に富山着いて、ひとまず寺田の駅でも行って運用を見ようなんて思ってたんだけど、初電の上市発電鉄富山行きは80形(第2編成)、電鉄富山発の下り初電宇奈月行きも80形(第1編成)でした。ムムッ。

地鉄の早朝の花形運用と言えば、アルペンルートへの直行便である立山行きの快速急行。だいたいこの列車には快速急行のカン付きの14760形が充当されることが多いのですが、なんとこの日に充当されていたのは80形の第4編成。ムムムッ。マニア目線ではアルペンルートに向かう快速急行が4ドアロングじゃ風情もへったくれもないじゃん、みたいに思ってしまいがちなんですけど、大きなザックを担いだアルピニストたちが大量に乗り付けるアルペン快急ですから、転クロ車よりもロング車の80形のほうが車内スペースが広くて居住性が高いという利点もあるにはあるんですよね。

この日の朝運用、電鉄富山からの2番電車(寺田経由岩峅寺行き)も上市から始発で上がってった80形の折り返し。ムムムムッ。結局は80形しか見られないという事になってしまいました。立山駅で火災を起こして廃車された14720形の置き換えで導入が開始され、現在4編成が所属している17480形ですが、印象としてはえらい増えたなぁというのが正直な感想です。特に14720形と10020形という「地鉄生え抜き」の日車ロマンスカーを淘汰して導入された経緯からも、東急ファンの方には大変申し訳ないのですが、今のところ現れると正直ガッカリ感が否めませんで(笑)。これを見に富山に来たんじゃないんだよねというね。まあこの形が新たな地鉄のスタンダードでしょうから、慣れてくしかないのかもしれませんが。

岩峅寺で折り返しの80形が、入れ替え作業で学生のチャリンコを通せんぼ。地鉄サイドとしては、経年劣化が目立つ元京阪の30形と、車齢が40年を超えて来た生え抜きの60形よりは、東急テクノシステムでしっかりと整備されて導入された新車の80形を優先して使うのは当たり前。元々地鉄は運用数の割には車両に余裕がある訳ではありませんで、80形の4編成が朝から晩までフル運用となると、このように「待ってても80形しか来ない」みたいなターンに当たる事も珍しくないのでしょう。これも時代の流れですが、地方私鉄への譲渡に伴って全国に拡散する元東急のステンレスカーをどう撮って行くかは、地方私鉄ファンに課された命題であると言えそうです。


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