tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

飛騨古川・雪の白壁土蔵街

2009年01月20日 | 小さな旅
1/18(日)朝、高山駅を出て、約20分で飛騨古川駅に到着した。高山で雪はさほど目立たなかったが、ここは一面の銀世界だ。雪の少ない奈良の人間にとって、雪景色は有難い。「古川駅は雪の中~♪」などど、替え歌が口に出てしまう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E5%B8%82





飛騨古川(岐阜県飛騨市)は、NHKの朝ドラ「さくら」(2002年度上半期 主演は高野志穂)で一躍有名になった。主人公(中学の英語担当助手)は、古川に下宿しながら高山の中学校に通うという設定だった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%81%8F%E3%82%89_(%E6%9C%9D%E3%83%89%E3%83%A9)


飛騨の匠文化館

まず駅前の観光案内所に立ち寄って、観光のモデルコースを聞いた。案内所の方は、とても親切に半日の散策ルートを説明して下さる。ついでに美味しいそば屋さんも教えていただいた。最初にめざしたのは、飛騨古川まつり会館である。





当地では、毎年4月19~20日に飛騨古川祭りが催される。この会館では、祭りに使われる太鼓や、屋台(だんじり)9台のうち3台を見ることができる。さらにシアターでは、祭りの全貌が3D映像で見ることができる。これは大迫力の力作だった。



上の写真は、屋台についているからくり人形である。実際には紐で操る(これも体験できる)が、写真の人形はコンピュータ制御の機械仕掛けで、見事に一曲舞ってくれた。





会場内では、菅沼守さんが切り絵と木彫の実演をされていた。黒の色画用紙をオルファのカッターナイフで切り抜き、こんな素晴らしい作品に仕上げていく。菅沼さんは、制作過程を丁寧に説明して下さった。木を本物そっくりに彫り、彩色して仕上げる「おもしろ木彫り・立体絵画」も珍しい。
http://www.city.hida.gifu.jp/kanko/takumi/kirie_warasaiku/index.html





まつり会館のあとは、いよいよ古川土蔵街へ(冒頭および上の写真)。雪化粧の町並みは、何ともいえない風情である。



ここは散策途中に立ち寄った壱之町珈琲店(いちのまちコーヒーてん)。丹生川村から移築された民家を改装したお店で、店内には地元の方が作った工芸品がたくさん並んでいる。香り高い炭火焙煎コーヒー(400円)と名物のメロンパン(180円)をいただいた。家内が注文した焼きチーズケーキ(250円)は、ひと切れ食べただけだが、絶品だった。





町の至るところで雪下ろしや雪かきが行われていて、私には珍しいので、何枚かカメラに収めさせてもらった。道端で地図を広げていると、小学生までが「道、分からないの?」と声をかけてくれる。何とも親切な町である。「もてなしの心」を子供の頃から身につけているのだ。奈良も、見習わなければいけない。

このあと、美味しいおそばをいただくのだが、それはまた次回に。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛騨高山再訪

2009年01月19日 | 小さな旅
奈良検定も無事済んだので、土日を利用して家内と旅行をすることにした。久々に奈良県を離れ、飛騨の高山(高山市)と古川(飛騨市)を訪れた。高山は学生時代、秋の試験休みに一度来たことがあるが、古川は初めてだ。NHKの朝ドラ「さくら」で、古川の見事な町並みと和ろうそくの店が紹介されていたので、以前から訪ねてみたいと思っていた。1/17(土)は高山、18(日)は古川という日程である。

午前中に奈良を出発、京都から新幹線で名古屋まで出て、特急ひだ11号で高山をめざした。写真はその特急だが、岐阜まで東海道本線で戻り、そこから高山本線に入るので(「く」の字型のルート)、岐阜までは背中向きに走る。



名古屋から2時間半で高山に着く。駅を降りてまず出迎えてくれたのは、冒頭写真の「さるぼぼ」だ。さるぼぼとは「猿の赤ん坊」という意味で、昔から子供が産まれたときのお守りとして、玩具の代わりに与えられた人形で、もとは家族が手作りしていた。



災いが去る(猿)、家庭円(猿)満、縁(猿)結びなど、厄除けや縁結び、安産のお守りとして、今も重宝されている。だからお土産物屋さんの棚は、さるぼぼグッズで一杯だ。30年前の学生時代には見たことがなかったので、その後、観光客向けに開発されたのだろう。



重伝建(国選定重要伝統的建造物群保存地区)に指定された町並みは、やはり素晴らしい。昔ながらの造り酒屋や春慶塗のお店、民芸調の土産物屋の間に、みたらし、五平餅、飛騨牛の串焼き、飛騨牛のにぎり寿司、コロッケなどのファーストフードが売られ、人気を集めていた。みたらしは甘くないタレで私の好みだった。ボリュームたっぷりのビーフコロッケは、体を芯から温めてくれる。









高山で1泊した翌朝(1/18)は、列車の時間待ちを利用して朝市へ。朝市は「陣屋前」と「宮川」の2か所あるが、ここは宮川朝市。一位(イチイ科の常緑針葉樹)の箸や赤かぶらの漬物を買った。おばあちゃんが作った1つ300円の漬物は、「5つ1000円でいいよ」との誘いに思わず買おうとしたら、包む時になって「もう1つおまけ」と、結局6つ1000円と半額になった、これは有り難い。







高山は、30年前に比べて「ずいぶん観光地化したな」という印象である。その意味でも小「京都」である。重伝建指定や、東海北陸自動車道の開通など交通アクセスの改善がその原因だろう(世界遺産・白川郷の観光地化も激しいそうだ)。同じ重伝建の橿原市今井町のような厳(おごそ)かな雰囲気や、宇陀松山のような鄙(ひな)びた風情が失われたのが、残念である。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇陀松山の町並み

2008年08月24日 | 小さな旅
宇陀の松山地区(宇陀市大宇陀区)は2006年、重要伝統的建築物群保存地区(重伝建)に指定された。県下では今井町(橿原市)に次いで2番目である。
※自治都市・今井町(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/e090c2a0646a25aec5d36078d51e383e

Wikipedia「松山(宇陀市)」によると《宇陀松山城の西側の地区は古代は阿騎野と呼ばれた宮廷の狩猟場であった。現在の街区は戦国時代に国人領主秋山氏により築かれた城下町を起源とし、その後豊臣秀長配下の大名により現在の町並みの原型が形成され、地名が阿貴町から松山町に改められたとされる》。


松山西口関門(国指定史跡・この手前が冒頭の写真)

《関ヶ原の戦以降は織田信雄以後4代の支配を経て1694年からは江戸幕府の天領として栄え、明治時代になっても宇陀郡役所や裁判所がおかれるなど地域の中心として発展し、昭和40年代まで賑わったという歴史をもつ》。

私は8/13と15の両日、ここに立ち寄った。20~30年前に1度訪れたことがあるのだが、ずいぶん町並みが整備されている。道の駅「宇陀路 大宇陀」の近くに松山地区まちづくりセンター「千軒舎」があり、ここに行けば詳しい情報を提供していただける。「千軒舎」の建物は、台格子・虫籠窓・煙出しを備えた伝統的な町家で、もとは薬問屋・歯科医院として使われていた建物だったが、これを改修して03年10月にオープンした施設である。


「千軒舎」(旧内藤家)中庭

今井町は立派すぎて近寄り難い雰囲気があるが、宇陀松山は住民の生活感があり、今も現役の黒川本家(吉野葛商)、森野旧薬園や造り酒屋(久保酒造と芳村酒造)などが店を構えているので、故郷へ帰ったような親近感を覚える。「千軒舎」や「宇陀市大宇陀歴史文化館 薬の館」(旧細川家住宅)などの施設も充実している。
http://www.mapple.net/spots/G02900061604.htm


黒川本家(谷崎潤一郎ご用達)


森野吉野葛本舗(裏山が森野旧薬園)

醤油の香りに惹かれてお店に入ると「黒川醤油製造場」とあった。聞いてみると、黒川本家のご親戚で、いわば「黒川分家」であった。年季の入った杉の醤油樽も見せていただいた。家庭の必需品である醤油は、お土産にもピッタリである。
http://www.city.uda.nara.jp/04/ninteihin/c/index.html


森野旧薬園からの眺望

お土産といえば、松月堂の「きみごろも」(@105円)もお忘れなく。メレンゲに黄身をつけて焼いたもので、マシュマロのようにふわふわしていて、とても美味しい。甘さも控えめ(蜂蜜使用)なので、和菓子というより素朴な洋菓子のような趣きである。
http://www.mapple.net/spots/G02900061704.htm

このほかのお土産は、道の駅「宇陀路 大宇陀」で手に入る。併設された「新鮮野菜直売所」で買い求めた宇陀特産のブルーベリーは、粒が大きくてとても美味しかった。
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/contents/eki/n06_udajioouda/index.html



町を歩き回ってびっしょり汗をかいたので、ここから車で3分の「大宇陀温泉 あきののゆ」に立ち寄った。夏休みとあって脱衣場は混雑していたが、浴槽はそうでもない。家族連れは、併設の温泉プール(バーデンゾーン)に向かったようである。さっぱりとしたアルカリ性単純温泉であった。
http://www.akinonoyu.com/spa/index.html


あきののゆ

大宇陀は、最近では「又兵衛桜」が有名になって春にはたくさんの人が訪れるが、他に見どころも多い。近鉄だと榛原駅、車だと名阪針インターが入口である。ぜひいちど、お訪ねいただきたい。
http://www.city.uda.nara.jp/04/index.html
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民宿むろう

2008年08月23日 | 小さな旅
大和高原(宇陀市・宇陀郡)を旅した8/13(水)~15(金)の宿泊は「民宿むろう」(宇陀市室生区室生405-1)だった。HPを見ても、料理は豪華だし、1泊2食付で7350円(ネットで申し込むとさらに500円引き)という安さだ。
http://www.e-murou.com/

民宿は小高い丘の斜面に建っている。丘をさらに登ると、「室生山上公園芸術の森」という不思議な公園に行き着く。環境芸術の第一人者、ダニ・カラヴァン氏のデザインだという。
http://www.city.uda.nara.jp/sanzyoukouen/index.html

写真の右奥が民宿の玄関と食事棟で、板間には囲炉裏が切ってあり、窓からの眺望が素晴らしい。古民家を模した民芸調の造りで、HPに「室生の季節いっぱいの 山々に囲まれた民宿」「旅人の心を癒す 憩いの宿」とあったが、看板に偽りはない。冬には囲炉裏で鍋物もいただける。

ひと風呂浴びた後、晩ご飯をいただいた。この日のお客は、東京から来られた年配のご夫婦と、山形から来られた若い方。ご夫婦は兵庫県へ帰省する途中で、村を見物されてから実家に向かわれるとのことで、毎夏、違う場所を訪ねておられるそうだ。山形の方は、郷里出身の土門拳の写真に惹かれ、室生寺を訪ねて来られたという。


室生寺五重塔(07.8.12撮影)


8/13の夕食

室生の夜は静かで涼しい。網戸からそよ風と虫の声が入ってくる。昼間の暑さがウソのようだ。うっかり窓を開けたまま寝たら、寒くて夜中に目を覚ました。奈良盆地とは比べものにならないくらい気温が低いのだ。あわてて窓を閉め、掛け布団をかけ直した。

翌朝は皆で朝食をいただいた。ご飯のほか、茶がゆまでついている。食後、私は車で出発。ご夫婦は、女将さんの車に便乗して龍穴神社に向かわれた。室生寺はもとより、山上公園、大野寺、龍穴神社など、周辺に見どころは多い。


室生区の民家


8/14の朝食

御杖村の「姫石(ひめし)の湯」で汗を流して民宿に帰ると、この夜のお客は、私1人だった。ビールを飲みながら、食べきれないほどたくさんの料理をいただいた。


8/14の夕食


窓からの眺め

翌朝も、たっぷりの朝食が出た。納豆に地卵をかけていただくと、口の中に新鮮なうま味が広がる。帰り際にお勘定をしてもらうと、本当に「7350円×2泊-500円+ビール代」だけだった。涼しい夜風も、静かな風情も、虫の声も、星いっぱいの空も、緑の山々の眺望も、すべてタダというのは何だか申し訳ない。


8/15の朝食

この民宿は、以前当ブログでも紹介した吉田さらさ著『奈良 寺あそび、仏像ばなし』(岳陽舎刊)で絶賛されている。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/c00668a6fdbea0db19d168daf29d70e1

《お薦めは「民宿むろう」。ほかの宿は知らないので比較はできませんが、ここは間違いなく極上の宿です。何がよいって、まず、お母さんのお人柄。朗らかで世話好きで料理上手。わたしが男性だったら、こういう人と結婚したいです》。

《翌朝窓を開けると、目の前に室生寺の奥の院がありました。奥の院は、五重塔からさらに石段を登った山の上にあります。谷から稜線に沿って朝もやが昇っていく様子がよく見えて、まさに眺望絶佳。この神秘的な光景は室生の谷の名物ですが、このあたりからでないと、全貌はわかりません。そういう意味でも、この宿がお勧めなのです》。

《近年民宿という形態の宿は衰退気味。「昔は学生さんが大挙して泊まりに来たものだけど、このごろの若い人は、洋風のプチホテルとかに行ってしまうのよ」と、お母さんは嘆かれます。若者よ、来たれ民宿へ》という具合である。


玄関ロビー

民宿むろうの「心得」(モットー)は、
・民宿むろうはおもてなしを第一に考えます。
・旅人・観光客のみなさまに癒しの空間をおつくりします。
・いつも笑顔でお客様を歓迎致します。

だそうだが、女将の山本冨美恵さんにはとても親切にしていただいたし、ご主人やお嫁さんにも歓待していただいた。4室だけの宿なので、ご家族の皆さん全員がサービスして下さるのだ。

室生寺周辺をお訪ねになるのに、自信を持ってお薦めできる宿である。ぜひいちど、ご利用いただきたい。

奈良寺あそび、仏像ばなし
吉田 さらさ
岳陽舎

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民宿あおば(天川村)が、楽天トラベル5つ星&県下ベスト2位

2008年04月15日 | 小さな旅
天川村(奈良県吉野郡)に「民宿あおば」という小さなペンション風の民宿がある。05(平成17)年8月に2泊したところ、とても温かくもてなしていただいたので、その頃ネット新聞に書いた旅行記で、紹介させていただいた。
※参考:天川村は森と泉に囲まれた神仙境(JanJan)
http://www.news.janjan.jp/living/0509/0509041999/1.php

ちょうどその頃、県の「奈良・もてなしの心推進県民会議」が、もてなしに関する「体験談・提言」を募集していたので、この民宿のことを書いて応募したところ、首尾よくベスト5(もてなし賞)に入賞することができた(06年2月)。私は《訪れた土地の生活文化を体験するのが旅行の醍醐味だとは常々思っていたが、今回の旅は、まさに目的にかなったものとなった》云々と書いた。

そういうご縁でこの民宿とは、今まで何度もお便りを交わしているし、村の名物「朴の葉寿司」をお送りいただいたこともあった。県の関係者が、優れた宿の取材で訪れたとも聞いた(アポなしだったため、取材は実現しなかったそうだが)。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/7d8d423930695ed00b9a6af67acc0f40

先日「なら県民電子会議室」という県広報広聴課が運営するBBSで「今まで泊まって良かった所を紹介して下さい」という呼びかけがあった。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/top.cgi?FID=forum13

これはぜひ紹介せねばと、久しぶりに「民宿あおば」を検索すると、なんと楽天トラベルで「5つ星」を取得され、同サイトの「泊まって良かった!ホテル・旅館ランキング」では、県下ベスト2位に選ばれていた。旅館関係者の話では「ちょっとやそっとで5つ星は取れません。ほとんどの施設が3.5~4です」ということだったので、これは快挙だ。

施設は掃除がゆきとどき、土地の農産品を使った女将さんの手料理は、とても美味しい。大阪生まれのご主人は、旅行者の視点で村のことを教えて下さる。その1つ1つが旅行者には有り難いし、天川村を体でまるごと感じ取った気分になれる。奈良市で大雪が降ったときなどは、「山深い天川村は、大丈夫だろうか」と気になる。

規模は小さくても、「もてなし」の行き届いた宿がちゃんと評価されるという楽天のシステムは、とてもよくできていると思う。

「民宿あおば」の女将さん、ご主人。本当におめでとうございます。これからもお客さんを温かくおもてなしいただき、素晴らしい天川村の名を全国に広めて下さい。ブログ読者の皆さん、ぜひこの民宿をご体験下さい。

※民宿あおばのサイト(楽天トラベル)
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/28265/28265.html

※写真は天川弁財天神社(05年8月撮影)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする