tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

雲井坂の雨

2008年01月12日 | 奈良検定
いよいよ明日(1/13)は、奈良検定の試験日だ。2級は午前10時30分から、1級は午後2時から、奈良市内の会場で実施される。
http://www.nara-cci.or.jp/narakentei/index.html

受験される方が1点でも得点アップできるよう、今日は「南都八景」の話を書くことにする。写真はその1つ、雲井坂の碑だ。県庁舎の東側で、駐車場向かいの押上町バス停前にある。上街道・天理街道・奈良街道・京街道など様々に呼ばれる「国道169号線」沿いにあるゆるやかなスロープだ。南に降りると転害門がある。

この碑を見つけたのはごく最近のことだ。「確かこの辺が雲井坂のはずだが…」とウロウロしていて見つかった。八景にあるとおり、ちょうど雨模様だった。東大寺西大門跡の一角で、八景の1つ、轟(とどろき)橋の跡もこの近くのはずだ。

南都八景(奈良八景)は、中国の瀟湘(しょうしょう)八景にならって作られたもので、室町時代の禅僧の日記に登場するわが国初の八景だ。その中身は、南円堂(興福寺)の藤、雲井坂の雨、東大寺の鐘、轟橋の旅人、春日野の鹿、佐保川の蛍、三笠山(=若草山)の雪、猿沢池の月だ。

私の「要点整理」では、ゴロ合わせで「南から雲雨(くもあめ)。鐘とどろき、鹿蛍行(ゆ)き去る」とした。

つまり「南」円堂の藤、「雲」井坂の「雨」、東大寺の「鐘」、「轟」橋、春日野の「鹿」、佐保川の「蛍」、三笠山の「雪」、「猿」沢池の月だ。
※「ズバリ!奈良検定2級の要点整理【完全版】」
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/71fa593b91174a1b88f394f5dc2917e5

轟橋のようになくなったものもあれば、南円堂の藤のように、春日大社にお株を奪われてしまったものもあるが、史実として覚えなければならない。

永島福太郎著『奈良県の歴史』(山川出版社・昭和46年刊の旧版)によれば《名勝が誇られ、とくに旅人があげられたりするのだから、社寺巡礼ないし見物人が奈良に蝟集(いしゅう)したことが知られる。当代(室町時代)、京都街道にそった転害(てがい)郷は旅宿郷とよばれ、宿屋がならんでいた》《南都八景の出現は、奈良の観光地化の芽ばえを示す。当代は戦乱時代といわれるが、文化の発展はいちじるしい》とある。

1級受験者用の「体験学習プログラム」では、「ボランティアガイドと行く奈良再発見Ⅱ きたまち<京街道>を歩く」で、この周辺を歩いたそうだが、八景全てを踏破し、室町時代の旅人気分を味わうのも良いだろう。

では受験者の皆さん、グッドラック! 私もこれから一夜漬けの開始です。 
コメント (4)
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