tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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古語がルーツ!奈良の方言

2008年01月28日 | 奈良にこだわる
このブログのコメント欄で、奈良の方言に関する話題が出ていたので、ここでまとめてみる。
※参考:「コメント欄」を下の方にスクロール
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/00ca68271f1ff4c9e670efacd8c7e121

「奈良の方言」としてコメントをいただいた中で、「うたて(うたてし)」「おとろし」「夜さり」は古語だった。「とごる」(沈殿する)は古語ではなく滞る(とどこおる) がなまった言葉で、奈良県や和歌山県だけでなく、愛知県でも使われている方言だそうだ。
※メーリングリストで存じ上げている福田和真さんの「田辺弁講座」
http://lb.tanabe-cci.or.jp/~fukuda/dialect/words/t/togoru.html

「回りする」(したくする)も辞書には載っていない。私が奈良弁だ思っていた「てれこ」(あべこべ)は広辞苑にちゃんと載っていて、方言ではなかった。

Wikipedia「奈良弁」の書きかけ項目には、《大阪弁や京都弁と似ている部分が多いが、「去ぬ(いぬ)」などの古語の表現も残されているのが特徴である。古来、日本の中心地として、日本語の発展に大きく影響を与えてきた方言の一つである。また、長岡京や平安京への遷都以降も交通の要衝として、大阪弁や京言葉に影響を与えたり、受けたりしていた》とある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%88%E8%89%AF%E5%BC%81

確かに「いぬ」(帰る)も古語だ(和歌山県でも使われているが)。古語の表現が現在に残り、それが奈良弁の何割かを占めていることは、間違いなさそうだ。

Wikiのフランス語版には「Naraben」という項目があって、いろんな奈良弁の意味と仏訳が出ている。日本語版より充実しているところがスゴい。筆者は、奈良女子大にでも留学していたのだろうか。見出し語と意味をそのまま列挙すると、

まわり(したく)、ぐいち (ちぐはぐ)、きける (疲れる)、 ~いす ・~やいす (~ます)、ロック (平ら)、まとう (弁償する)やりこい(やわらかい)、はんざいこ (物の隙間)、おとろしー (面倒くさい)、もまない (まずい)、えー (良い)、ほーせき (おやつ)、とこぎり (徹底的)、なかなか (どういたしまして) 、げんろく (ひざがしら)、あんじょー (うまく)、ねがう (訴える)、けなるい (うらやましい)、はんそする(修理する)、~みー (~ね)、きたなか (半分)、はんつ (半端)
http://www.commecadujapon.com/dokuwiki/japonais/dialectes/naraben

生粋の奈良県人の皆さん、上記の奈良弁をご存じだったろうか。奈良市に30年住んでいる私にして、聞いたことのない言葉がたくさん混じっている。このうち、まわり、ぐいち、きける、まとう、もまない(もむない)、えー(これは関西標準語)、あんじょーは、私の故郷の紀北地方(和歌山県北部)でも使う。

上記を古語辞典で調べると、もむない、けなるい(けなりい)は古語だった。ポピュラーな奈良弁は、他にももっとありそうだ。ご存じの方は、コメントをお寄せいただきたい。

※写真は、奈良市柳生の「芳徳寺」(ほうとくじ・芳徳禅寺とも)。柳生宗矩(むねのり)が、亡父・柳生石舟斎宗厳(せきしゅうさいむねよし・柳生新陰流の創始者)の菩提を弔うため、沢庵禅師を開山として創立した。05年1月に撮影。
コメント (35)
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