tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

「いづみ」の鮑腸汁

2008年03月15日 | グルメガイド
面白い店を見つけた。猿沢池の西畔、「まんぎょく」(萬玉)のすぐ北にある「いづみ」というお店だ。まんぎょく同様、元置屋だったそうで、建物は築160年というから、なんとペリー来航の嘉永年間(1850年頃)の建築ということになる。この置屋で「えらいこっちゃ、東の方に黒船が来たそうや」「大和は海がのうて、良かったなぁ」などという会話が交わされたのだろうか。
http://r.tabelog.com/nara/rstdtl/29000922/

ここにお店がオープンして、20年以上になるという。780円のランチ(本日の定食)も美味しいが、看板メニューは白味噌ベースの煮込みうどん「鮑腸汁」(ほうちょうじる 730円)だ。別にアワビ(鮑)のヒモ(腸)が入っているわけではない。店内に貼られた「鮑腸汁の由来」によると

《昔、豊後の国の領主大友宗麟は、鮑の腸が好物で日頃からよく食べていました。ある日、旅先の宿屋で鮑の腸を注文したところその店に材料がなく、主人は困りついに小麦粉を練って団子を作りそれを紐状にのばして、其の変わった味わいが大変気に入り面目をほどこしたと言う事です。これが現在の鮑腸汁のはじまりと伝えられています》とある。

注文するとご主人は「ちょっと時間がかかりますよ」とおっしゃる。いいですよ、というと奥から出てこられ、目の前で手品のように麺を延ばし「こうやって、今から麺を延ばすので時間がかかるんですよ」と実演して下さった。
http://daidoushop.com/page021.html

出来上がった鮑腸汁には、ネギ、薄揚げ、かまぼこ、エノキ茸、しいたけ、豚肉などに、太くて平たいうどんが入っている。ほのかにユズの香りがして、これは美味しい。

夜は居酒屋になるが、こんな良い雰囲気のところで飲むと、しみじみと古都の情緒が味わえるだろう。「鹿男…」にも、ぜひ立ち寄ってほしかったと思う(お隣りのまんぎょくは、ドラマに登場していたが)。

この鮑腸汁、大分では「だんご汁」というそうだが、この後偶然、大阪でだんご汁をいただくことになる。それはまた明日。

※所在地:奈良県奈良市元林院町10 TEL:0742-22-7255
営業時間 12:00-14:00/17:00-23:00 日曜定休
座席:カウンター5席・テーブル14席
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