tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

鹿男あをによし第10話(最終回)

2008年03月24日 | 鹿男あをによし
3/20(木)、「鹿男あをによし」の最終回が放送された。あらすじをlivedoor番組表から拾うと

《小川(玉木宏)は、堀田(多部未華子)から受け取った"目"を草の上に置く。そして、ナマズを鎮めるためのすべての儀式が無事に終わる。翌日、盗難疑惑は解けたものの、学校にいられなくなった小川は退職することに。藤原(綾瀬はるか)は教師たちに反発するが、小川は疑惑が解けただけで十分だとすっきりとした表情を見せる。その後、鹿に会いに行った小川は、約束通り自分と堀田の顔を元に戻してほしいと頼む。ところが、鹿がかなえられる望みは1つだけで、小川か堀田のどちらかの顔しか元には戻せないという。それを聞いた小川は激高する》

しかし藤原先生が鹿と直談判した結果、小川先生も堀田も顔が元に戻り、めでたしめでたしとなる。この回には「二つのキス~冒険の終わりが恋の始まり」というタイトルが付いていたが、それは小川と藤原の恋の始まりのキスと、堀田が小川の顔を元に戻すキス、ということだった。

私は3/13に猿沢池畔でロケ現場を見たと書いたが、やはりそれは小川が東京へ帰るシーンだった。興福寺の52段(石段)が効果的に使われていた。このドラマでは黒沢映画のように望遠レンズを多用していたので、背景が手前に浮き立つように見えて(くっつき効果)、とても迫力があった。

小川が東京へ帰るため、京都行きの急行に乗り込んだのは、近鉄天理駅だった。駅名表示は「奈良」だったが。確かに地下駅である近鉄奈良駅より天理駅の方が、ターミナル(頭端駅)の感じがよく出る。

ラストは、教頭のリチャードが、(小川が「鹿に聞いた」とウソをついた)「卑弥呼の墓の場所」を聞き出そうと、飛火野の鹿たちに鹿せんべいを振る舞いながら次々と話しかける、というユーモラスなシーンだった。児玉清の演技力には感服。

solianoさんの情報によれば、この回の視聴率は、関東11.2%、関西9.8%と、東高西低で終了した。年代別には、男性:20代9.9%、30代4.0%、40代6.8%、50代以上4.3%。女性:20代6.4%、30代6.6%、40代13.6%、50代以上8.4%と、中高年女性が頑張っていた。

重(しげ)さん役の佐々木蔵之介の実家は京都の佐々木酒造で、solianoさんによれば《「聚楽菊」というお酒はたいへんおいしいと思います》とのことである。調べてみるとこの会社は、もと聚楽第(関白秀吉の邸宅)のあった場所にあり、「聚楽第」「聚楽菊」「古都」などの銘酒を製造している。ホームページも、とてもきれいだ。
http://jurakudai.com/web/index.html

ドラマは終わったが、鹿Tシャツが売られたり観光客が増えたりと、この番組の効果は地元のあちこちに出てきている。ピックアップしてみると

○ホテル日航奈良の「鹿男あをによし」宿泊プランが人気を集めている。同ホテルのHPには、原作者(万城目学氏)のインタビューも掲載された。
http://www.nikkonara.jp/shikaotoko.html

○奈良公園の「鹿寄せ」には見物客が3倍に増え、鹿が怖がって寄ってこないという。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200803080083.html

○荒井知事は、ドラマに出てくる鹿ロボットを平城遷都1300年祭のPRに使いたいとラブコールを送った。県議会での質問に答えたものだが「玉木宏さんを非常勤副知事にしてほしい」という提案もあり、これには「制度的にムリ」と答弁した。
http://mainichi.jp/area/nara/news/20080319ddlk29010500000c.html

○魚佐旅館(奈良市・猿沢池畔)は、ドラマロケ地の情報をA4版9枚にまとめ、宿泊者などに配布している。
※鹿男あをによし ロケ情報(Yahoo!ブリーフケース内)
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/tetsuda_n/vwp2?.tok=bcI_AxaB3vcuP4o0&.dir=/7fbb&.dnm=%bc%af%c3%cb%a5%ed%a5%b1%c3%cf%a1%ca%b5%fb%ba%b4%ce%b9%b4%db%c4%f3%b6%a1%a1%cb.doc&.src=bc

万城目学氏は「奈良は京都に比べると、発信力が弱い。その意味では、平城遷都1300年祭はいいチャンスじゃないでしょうか」(朝日新聞奈良版 3/19付)と語っていたが、せっかくのドラマの人気をうまく1300年祭(2010年)につなげなければいけない。

奈良は情報発信力が弱いだけでなく、何かがヒットしても、それを次の展開につなげることが苦手だ。古くはシルク博だが、灯花会も正倉院展も、もっと工夫の余地がある。ドラマの余熱が冷めないうちに、次に打つ手を考えよう。

※鹿男あをによし第9話(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/d/20080317

※写真は「目だよ、先生」のシーン(に似たシーン)。ストロボをたくと、鹿の目がこんなに光ってしまった。2月上旬、春日大社境内で撮影。
コメント (17)
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