tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

カシータというレストランを知っていますか?

2008年06月20日 | グルメガイド
驚いた。こんなレストランが実在するとは…。週刊観光経済新聞(08.6.14付)に載っていた話である。

船井総研チーフコンサルタント・西川丈次氏が連載する「観光業活性化 ホスピタリティレポート」(第75回)で、タイトルは「驚きの連続が違いを生み出す」だ。こんな書き出しで始まる。

《親しい旅館の社長とお会いした時に「東京のカシータというレストランを知っているか」と聞かれました。名前は聞いたことはありましたが、その内容は詳しくは知りませんでしたが、話を伺ってびっくりしました》。

私は内容どころか、名前すら全く知らなかった。以下、やや長くなるが記事を引用する(△△社長とは、話し手の旅館社長のことである)。「Casita(カシータ)」とは、高橋滋氏(1952年生まれ)が運営する高級リゾート風レストランだ。

△△社長は、知り合いに誘われて初めてカシータに行った。《受付で名前を言うと「○○さまはすでにお越しです。テーブルにご案内します」と案内をされました》《「△△さま、いらっしゃいませ」「△△さま、お待ちしておりました」。こうした声をテーブルに案内される途中で頻繁にフロアスタッフから掛けられたそうです》。

テーブルには、△△社長の《イニシャルが刺繍されたナプキン、メニュー、そしてデザートにもチョコレートで名前を書くといった徹底ぶりだったそうです。レストランから帰る時には、3階のエレベーターの前で非常に気持ちの良い見送りをされたそうです。ところが、1階に着くと3階で分かれたはずの人がすでにそこに居て「何でお帰りですか。タクシーご利用ならつかまえてきます。どちらまでですか」。そんな会話をしたそうです》。

《そして、その日最後のサプライズが起こったのです。誰にも知らせていなかった宿泊ホテルに着くと、部屋のメッセージランプが付いていたのです。カシータからのもので「今日は有り難うございました」というメッセージだったそうです》。

従業員がイアホンをつけて無線で飛ばせば、△△社長が到着したことは全員に伝わるし、タクシーをつかまえる時には行き先(宿泊先)を知ることができる。《何も手品を使った訳ではなく、すべては仕組まれた演出です。しかし、その仕組みを「企業力」として持つこと、そしてそれを実行する「人間力」を高いレベルで維持することは非常に難しいことです。この小さな演出をやり切るところに「レストランカシータ」の素晴らしさがあるのではないでしょうか》。

カシータの高橋氏は、△△社長にこう言ったそうだ。次回訪問時までに「新しいサプライズを準備しています」と。それは《今日の利用が次のサプライズを生み出す》という仕組みで、《どのタイミングで何の銘柄のビールを飲まれたか、どんなワインが好みか―が管理され、リピーターになればなるほどさらに深い感動が提供されるのです。そうです、徹底したCRMが最高の武器として使われる結果が、レストランカシータの伝説を作り出しているのです》。
※Casita(カシータ)の公式ホームページ
http://www.casita.jp/

流行のマーケティング用語である「CRM」(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント=顧客関係管理)などと言ってしまうとそれまでだが、これを徹底してやり抜くところが、カシータのすごさである。ブログなどを覗いてみても、カシータの世評の高さがうかがえる。
※参考:『Casita(カシータ)』―セミナー編―
http://blog.livedoor.jp/katonana/archives/23615885.html

日経流通新聞では、06.1.6付の1面トップ記事で接客を重視するお店を特集していて、その冒頭で紹介されたのがカシータだった。

《昨年のクリスマス。東京・青山のアジアンリゾートをテーマにした「レストラン カシータ」のテラスはここだけ、真っ白い雪で覆われた。中央には雪だるま。ロマンチックな「ホワイトクリスマス」にカップルは寄り添い、デザートや食前酒などを楽しむ。そばには、こたつと電気毛布が置いてある》《東京都心はこの日、雪は降らなかった。実は行きは22日と23日の2日かけて、男性スタッフ3人が深夜、群馬県まで車を走らせ集めてきたものだ》。

《大手コーヒーチェーンのトップが来店した時には、事前にこっそり制服と食器類を借りて、そのコーヒー店さながらに制服を着たカシータのスタッフがもてなした。バイクマニアの誕生日パーテイーではハーレーダビッドソンを飾ったこともある》。

《こうした優雅で驚きのある演出の数々が話題となり、全国から客が押し寄せる。プロポーズなど「人生でここ一番の時に選ぶ店」という評価も広がっている》。

高橋滋氏のモットーは「レストランはハードじゃないよ、ハートだよ」だそうだ。究極のリゾートといわれる「アマンリゾーツ」のサービスとホスピタリティに感銘を受け、「Casita(カシータ)」を開業したそうだ。『I am a man』という著書もある。
http://www.ohtapub.co.jp/books/contents/aman.html

「○○はハードじゃないよ、ハートだよ」とすると、○○のところにはいろんな言葉が入りそうだ。カシータの客単価は15000円だそうだ。いつも予約で満杯とのことだが、日程が合えば、上京の折にはぜひ訪ねてみることにしたい。

※写真は、花空間けいはんな(京都府精華町)。06.9.16撮影。
コメント (5)
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