6/13(土)、吉野山で開かれた「第2回 さくらの学校」(吉野町、吉野山保勝会主催、吉野の桜を守る会共催)という催しに参加してきた。桜の聖地・吉野山のシロヤマザクラ(約3万本)は全国に有名だが、近年は立ち枯れなど、衰退の兆候が目立ってきている。これを憂える人々が「どげんかせんといかん」と立ち上がり、桜を守る様々な活動に取り組んでおられるのだ。
この日、現地集合は午前9時半だったで、早朝に奈良市の自宅を出発した。近鉄電車の急行で橿原神宮前駅へ、そこから吉野行き特急に乗り換え、終点吉野駅へ。ここでロープウェイに乗り換える。


見下ろすと、農作業のおっちゃんたちが休憩中
このロープウェイ(吉野大峰ケーブル自動車の経営)は、国内で現役最古のロープウェイである。開業は1929年(昭和4年)だから、もう80歳なのだ。吉野山駅までの距離は346m、高低差は101mで、乗車時間は約3分間である。

銅(かね)の鳥居の傍らでは、アジサイが咲き始めていた

銅の鳥居を振り返ったところ。右は柿の葉寿司の名店「ひょうたろう」

金峯山寺・仁王門(国宝)

向こうに見えるのが蔵王堂(金峯山寺本堂)。仁王門は北向きだが、蔵王堂は南向き
蔵王堂は熊野からの参詣者を迎え、仁王門は吉野から熊野へ参詣する人を迎える
このイベントのことは、読売新聞(6/14付)に詳しく紹介されている。《奈良県吉野町の旧吉野山小学校の校庭などで13日、桜の歴史や保護育成の大切さを学ぶ「第2回さくらの学校」(吉野町、吉野山保勝会主催、吉野の桜を守る会共催)が開かれ、守る会に協力する南都銀行の行員家族や、授業で桜の苗を育てる県立吉野高生ら計約100人がサクランボ拾いや果肉取りを体験した》。
http://osaka.yomiuri.co.jp/sakura/yoshino/20090614kn05.htm

挨拶される吉野町長の北岡篤氏


吉野町教育長・芳水正博氏の説明
《さくらの学校は、同小で取り組んでいた「さくらの授業」を復活させようと、4月に開設。この日は町教育長の芳水正博さん(61)、向井英彌さん(67)、笹木育子さん(59)の3人の元同小教諭が講師を務めた。初めに、芳水さんが「桜は戦時中にまきに使われて減った。子どもに優しい心を育てようと、旧吉野山小でサクランボ拾いが始まった」と説明した》。


このあと参加者は3つのコースに別れ、さくらんぼの実を採取。私は「たくさんの人に来てほしい」という「五郎平茶屋」へ。上千本の絶景が楽しめ、桜の季節には有料の桟敷席になるそうだ。周辺にはたくさんの桜の木があって、さくらんぼが採りやすいのだ。


さくらんぼは、あとで実から種を採りやすいよう、できるだけ熟した紫色のものを選ぶ。木の上のものを摘んでもいいし、落ちているのを拾ってもよい。ちょうど紙コップ1杯分採ったところで、昼食休憩となった。

お弁当のあと、町内を抜けて集合場所に戻った。道の両側にはたくさんのお土産物屋さんが並ぶ。桜の季節にはごった返すのだろうが、今の時期は、新緑とアジサイを楽しむお客さんがちらほら。

焼酎ベースのリキュール「さくらさらさら」(北岡本店)。奈良だと「奈良の八重桜」なのだが
《参加者は中千本や上千本などに移動。向井さんや笹木さんらの指導で、熟した実を拾ったり、摘み取ったりし、水の中でもみほぐして種を取り出した。種は持ち帰って育てる》。

実をもみほぐして種を取り出す作業が、結構大変である。最後に種だけをネットに入れ、持ち帰って冷蔵庫で保存し、2~3月頃にプランターに植える。うまく芽が出れば、主催者に報告することになっている。芽はそのまま家でそだてても良いし、吉野山に持ってきても良い。

《奈良市押熊町、市立東登美ヶ丘小4年田原怜奈さん(9)は「実は初めて見たけれど、ブルーベリーみたい。育てるのが楽しみ」と喜び、藤井泰育・吉野山保勝会理事長は「多くの苦労をしなければ、桜は育たないということを感じてもらえたと思う」と話した。2004年に旧吉野山小と統合した町立吉野小でもサクランボ拾いの伝統が受け継がれており、今月3日、4年生33人が1人200~300粒ずつを集めた。今後、苗木を育てるという》。
吉野山のシロヤマザクラは、実生(みしょう)といって、接ぎ木や挿し木ではなく、種から芽を出させて育てなければならない。そこが挿し木で増やせるソメイヨシノなどとの違いである。また、こんなに苦労して取り出した種を植えても、発芽する確率は低いし、芽が出ても雑草に負けてしまうことも多い。

しかし、苦労してでも桜の苗を育てないと、吉野山の桜は壊滅してしまうかも知れない。それほど吉野の桜は老化し、コケや害虫に痛めつけられているのだ。
「吉野の桜を守る会」は昨年(08年)9月、地元の「さくらAID(エイド)実行委員会」(吉野山保勝会、吉野町観光協会、吉野山観光協会、金峯山寺)、「奈良県」、「吉野町」、「読売新聞大阪本社」の計4団体により設立された。
※活動内容は、以下のサイトに詳しい。
http://www.nantobank.co.jp/news/090417.htm
これまで、チャリティーコンサートやパネルディスカッション、ガイドブックの発刊、募金活動などを展開している。奈良県が、そして日本が誇る吉野山の桜を守る活動に、ぜひご理解とご支援をいただきたいと思う。
※「吉野の桜」を保護するため 支援をお願いします
http://www.osaka-event.com/event/08bokin/index.html
この日、現地集合は午前9時半だったで、早朝に奈良市の自宅を出発した。近鉄電車の急行で橿原神宮前駅へ、そこから吉野行き特急に乗り換え、終点吉野駅へ。ここでロープウェイに乗り換える。


見下ろすと、農作業のおっちゃんたちが休憩中
このロープウェイ(吉野大峰ケーブル自動車の経営)は、国内で現役最古のロープウェイである。開業は1929年(昭和4年)だから、もう80歳なのだ。吉野山駅までの距離は346m、高低差は101mで、乗車時間は約3分間である。

銅(かね)の鳥居の傍らでは、アジサイが咲き始めていた

銅の鳥居を振り返ったところ。右は柿の葉寿司の名店「ひょうたろう」

金峯山寺・仁王門(国宝)

向こうに見えるのが蔵王堂(金峯山寺本堂)。仁王門は北向きだが、蔵王堂は南向き
蔵王堂は熊野からの参詣者を迎え、仁王門は吉野から熊野へ参詣する人を迎える
このイベントのことは、読売新聞(6/14付)に詳しく紹介されている。《奈良県吉野町の旧吉野山小学校の校庭などで13日、桜の歴史や保護育成の大切さを学ぶ「第2回さくらの学校」(吉野町、吉野山保勝会主催、吉野の桜を守る会共催)が開かれ、守る会に協力する南都銀行の行員家族や、授業で桜の苗を育てる県立吉野高生ら計約100人がサクランボ拾いや果肉取りを体験した》。
http://osaka.yomiuri.co.jp/sakura/yoshino/20090614kn05.htm

挨拶される吉野町長の北岡篤氏


吉野町教育長・芳水正博氏の説明
《さくらの学校は、同小で取り組んでいた「さくらの授業」を復活させようと、4月に開設。この日は町教育長の芳水正博さん(61)、向井英彌さん(67)、笹木育子さん(59)の3人の元同小教諭が講師を務めた。初めに、芳水さんが「桜は戦時中にまきに使われて減った。子どもに優しい心を育てようと、旧吉野山小でサクランボ拾いが始まった」と説明した》。


このあと参加者は3つのコースに別れ、さくらんぼの実を採取。私は「たくさんの人に来てほしい」という「五郎平茶屋」へ。上千本の絶景が楽しめ、桜の季節には有料の桟敷席になるそうだ。周辺にはたくさんの桜の木があって、さくらんぼが採りやすいのだ。


さくらんぼは、あとで実から種を採りやすいよう、できるだけ熟した紫色のものを選ぶ。木の上のものを摘んでもいいし、落ちているのを拾ってもよい。ちょうど紙コップ1杯分採ったところで、昼食休憩となった。

お弁当のあと、町内を抜けて集合場所に戻った。道の両側にはたくさんのお土産物屋さんが並ぶ。桜の季節にはごった返すのだろうが、今の時期は、新緑とアジサイを楽しむお客さんがちらほら。

焼酎ベースのリキュール「さくらさらさら」(北岡本店)。奈良だと「奈良の八重桜」なのだが
《参加者は中千本や上千本などに移動。向井さんや笹木さんらの指導で、熟した実を拾ったり、摘み取ったりし、水の中でもみほぐして種を取り出した。種は持ち帰って育てる》。

実をもみほぐして種を取り出す作業が、結構大変である。最後に種だけをネットに入れ、持ち帰って冷蔵庫で保存し、2~3月頃にプランターに植える。うまく芽が出れば、主催者に報告することになっている。芽はそのまま家でそだてても良いし、吉野山に持ってきても良い。

《奈良市押熊町、市立東登美ヶ丘小4年田原怜奈さん(9)は「実は初めて見たけれど、ブルーベリーみたい。育てるのが楽しみ」と喜び、藤井泰育・吉野山保勝会理事長は「多くの苦労をしなければ、桜は育たないということを感じてもらえたと思う」と話した。2004年に旧吉野山小と統合した町立吉野小でもサクランボ拾いの伝統が受け継がれており、今月3日、4年生33人が1人200~300粒ずつを集めた。今後、苗木を育てるという》。
吉野山のシロヤマザクラは、実生(みしょう)といって、接ぎ木や挿し木ではなく、種から芽を出させて育てなければならない。そこが挿し木で増やせるソメイヨシノなどとの違いである。また、こんなに苦労して取り出した種を植えても、発芽する確率は低いし、芽が出ても雑草に負けてしまうことも多い。

しかし、苦労してでも桜の苗を育てないと、吉野山の桜は壊滅してしまうかも知れない。それほど吉野の桜は老化し、コケや害虫に痛めつけられているのだ。
「吉野の桜を守る会」は昨年(08年)9月、地元の「さくらAID(エイド)実行委員会」(吉野山保勝会、吉野町観光協会、吉野山観光協会、金峯山寺)、「奈良県」、「吉野町」、「読売新聞大阪本社」の計4団体により設立された。
※活動内容は、以下のサイトに詳しい。
http://www.nantobank.co.jp/news/090417.htm
これまで、チャリティーコンサートやパネルディスカッション、ガイドブックの発刊、募金活動などを展開している。奈良県が、そして日本が誇る吉野山の桜を守る活動に、ぜひご理解とご支援をいただきたいと思う。
※「吉野の桜」を保護するため 支援をお願いします
http://www.osaka-event.com/event/08bokin/index.html