tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

まろやか味のうどんが食べたい!(3)奈良のうどん事情

2009年06月30日 | グルメガイド
「まろやか味のうどんが食べたい!」シリーズ第3回は、地元・奈良県下のうどん屋さん事情である。ちなみに、これまでの2回では、「(1)ツユが辛くなった?」で、大阪と京都で立て続けにツユの辛い(塩味と醤油味が濃い)うどんを食べて閉口したこと、「(2)カップ麺・東西比較」で、東京でも関西風まろやか味のうどんが受け入れられていること、などを紹介した。
※(1)ツユが辛くなった?
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/aa196121a45bd3b1996339623e8936bf
※(2)カップ麺・東西比較
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/eecd30377782fdc97c23c252d433a25a

地元のうどんツユの味を確かめるため、今年の3月から、4か月かけて県内17軒(奈良市が15軒、生駒市と五條市が1軒ずつ)のうどん屋さんを回った。ほぼ週1回のペースだ。うどんは、できるだけベーシックな「きつねうどん」を選ぶように努めた。

結果、ツユが辛かったのは1軒だけだった。やや辛かった(ただし許容限度内)のが2軒(いずれも奈良市内)で、残り14軒はまろやか味だった。まろやか味輩出率は82%!という高率だ(許容味輩出率は94%)。これは嬉しい。


手打ちうどん処 伊賀(近鉄生駒駅の南西側)のうどん定食800円(高菜ご飯をチョイス)
※手打ちうどん処 伊賀(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/22bc94e7c0b92df1a1fa53752f5d4624

参考までに、許容範囲内だった16軒の店舗名を紹介すると「かきまぜ奈良うどん ふく徳」「田舎そば たかぎ」「うどん・そば 天馬」「麺闘庵」「うどん亭近鉄奈良駅前店」「ぜい六」「サガミJR奈良駅前店」「なか卯JR奈良駅前店」「手打ち釜あげうどん重乃井」「奈良県庁食堂」「奈良女子大学生協食堂」「奈良県文化会館グリル」「遊食菜館しゅう」「どん兆西大寺店」と、生駒市の「手打ちうどん処 伊賀」、五條市の「大和本陣」である(奈良市大安寺のうどん名店「初次郎」が店を閉めてしまったのは、かえすがえすも残念だ)。


立ち食いうどん「しゅう」のおかめうどん(すうどん)250円
冷凍さぬきうどん風の麺が美味しい(近鉄新大宮駅南口の「遊食菜館」内)

辛かった1軒は、行く前から「店主の代が変わって味が変わった」と聞いていた大衆食堂だった。やはり若いご店主だと、塩味が濃いめになるのだろう。

これらの店を回っている間に、いろんな発見があった。まず、最も薄味だったのが「かきまぜ奈良うどん ふく徳」だった。丼の底の醤油ダレと鰹節ととろろ昆布をかきまぜていただく仕組みだ。ここへ行かれたら、コメディアン志望だったというご店主に、ぜひ話しかけていただきたい。
※かきまぜ奈良うどん ふく徳(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/0fa9d232e3fa799c1af9fc54fd17682f

最も安かったのは、奈良女子大学生協食堂のきつねうどん(180円)だ。味は期待していなかったが、結構イケた。(私は先生と一緒だったので入れたが、誰でも入店できるかどうかは不詳。なお生協非組合員は1割アップ。)


奈良女子大生ご用達きつねうどん180円

私が最も気に入ったのは「手打ち釜あげうどん 重乃井(しげのい)」のきつねうどんだった(=トップ写真)。JR奈良駅から徒歩7~8分のところ(奈良市杉ケ町17の1)にあるこの店は、名前の通り釜揚げうどんの名店であるが、今回の取材のため初めていただいたきつねうどんが、とても美味しかったのである。鰹や煮干ダシの利いたツユは絶品だ(私はもともと煮干ダシが好み)。もちろん、モチモチのうどんも油揚げも良い。いつか当ブログできちんと紹介したいと思っている。
http://www.sigenoi.com/index.html



巨大な油揚げの載ったきつねうどんも発見した。「田舎そば たかぎ」である。ここはそばのほか、丼物やオムライスが有名だが、ぜひ、きつねうどんも味わっていただきたいと思う。
※田舎そば たかぎ(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4eb47d60f03a95f072f0d925f09b624a


麺が隠れるほど油揚げが大きい「たかぎ」のきつねうどん(確か550円)

油揚げといえば、「麺闘庵(めんとうあん)」の「巾着きつね(逆きつね)」が有名だ。油揚げの中に閉じこめられたうどんはもっちりしていて、とても美味しい。
※麺闘庵の巾着きつね(逆きつね)(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4e6ea780690ea178a0e9d447f9eba57c


ご店主おすすめ、新発売のミニ巾着セット680円

この麺闘庵は、5/11のエキサイトニュースに取り上げられた。それが検索サイト「エキサイト」のトップページ(トップニュース)に載ったので、つられて私のブログ記事にもアクセスが殺到した。いつもはアクセス数1日700人のペースが、5/11だけは、軽く1000人を超えた。「Yahoo!検索ランキング」でも「麺闘庵」が09年5月12日の「急上昇ワードランキング」に入った。
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1241663967306.html

なお、辛い(およびやや辛い)うどんは、いずれもツユの色が飴色だった。これは薄口醤油ではなく(もちろん濃口醤油でもなく)、どうも白醤油の色のように思える。色が薄いからと安心して白醤油を使っているうちに、味が塩辛くなったのではないだろうか。

「やはり奈良のうどんは、昔ながらのまろやか味がほとんどだった。伝統を重んじる古き都は良いものだ。それに引きかえ、大阪や京都は…」と思い始めたが、よくよく考えてみると、16軒の中には、大手チェーン店が含まれている。なか卯とうどん亭(近鉄観光)は大阪、サガミは名古屋、といった具合である。


なか卯JR奈良駅前店のきつねうどん390円と牛丼ミニ290円

「これらのチェーン店は、もともとまろやか味なのか。はたまた奈良の店舗だけ、まろやか味に変えているのか」と、また分からなくなってきた。もしかすると案外、大阪でも京都でも、主流は「まろやか味」なのかも知れない。

それならもう少しうどんを食べ歩き、この問題に決着をつけることにしよう。皆さん、少しお待ちいただくが、この続きをお楽しみに。
コメント (26)
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