tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

プレイバック! クーカル奈良2009(2)オトワ レストラン

2010年08月30日 | グルメガイド
いよいよ8/20から、「クーカル奈良2010」(奈良フードフェスティバル)の予約受付が始まった。公式HPによると《シェフたちとともに地方の食の魅力を再発見するイベント「クーカル」が昨年、今春に引き続き、今秋も奈良で開催。今度は東大寺の屋根を一望できる眺めのよい奈良公園内に特設のキッチンステージを設置。関東、関西の人気シェフたちが奈良の魅力をふんだんに表現した限定のひと皿をレストランスタイルで提供します》。
※クーカル奈良2010の公式ホームページ
http://www.cucal.net/2010/

《また、ユニークな仕掛け・演出の食イベントも多数盛り込む予定です。フランス料理、イタリア料理、中国料理、日本料理などジャンルはいろいろ。100 年に一度という区切りの年にふさわしい賑やかな食のお祭りです。ぜひご来場ください》。メインの「シェフズダイニング」では、一部、すでに満席の日もあるが、ほとんどは今からでも間に合うので、ぜひ、じっくり選んでお申し込みいただきたい。
※参考:Cu-Cal in 奈良(クーカル奈良) あるいはA級グルメの祭典(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/92094fddcd605de2157623730492d5f4

さて、ここでは昨年のクーカルでいただいた「オトワ レストラン」音羽和紀シェフの料理を紹介したい。音羽氏は今年の10月3日(日)と10月4日(月)にも奈良に来られ、「受け継がれるアラン・シャペルの魂を料理に」というテーマで、京都「オ・グルニエドール」の西原金蔵氏とコラボされる。
※参考:プレイバック! クーカル奈良2009(1)神戸北野ホテル(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/964f8420d8c510efa82458c34ee7cadc



クーカルのHPによると《フランスの「アラン・シャペル」といえば、古くから地産地消を掲げ、パリではなく地方で世界中の食通たちを魅了してきました。多くの日本人シェフたちも修業をしています。ここで初めて故・アラン・シャペルに師事した音羽さん、シャペルが日本からスカウトした名パティシエ、西原金蔵さんが夢の競演。シャペルと同様、地方から強いメッセージを送り続けるふたりのシェフが、奈良という地方から魅力的な料理とデザートのコースで競演します》とある。
※オトワ レストランの公式ホームページ
http://www.otowa-artisan.co.jp/

音羽和紀氏のプロフィールを紹介すると《1947年 栃木県宇都宮市生まれ。大学卒業後、渡欧。ドイツ、スイス、フランスのレストラン、ホテルで修行。フランス料理界の重鎮、「厨房のダ・ヴィンチ」と呼ばれた故アラン・シャペルに日本人として初めて師事。帰国後、1981年、宇都宮にてレストラン「オーベルジュ」を開店。フランス料理店のほか、レストラン・バー、デリカショップなどを経営》。
http://www.toyota.eco-inst.jp/event/e28.html



《そのほか、親と子の料理教室や高校で料理を教えるなど“子どもたちの食”をテーマにした活動や、地場の産物を使った料理の開発、県の農政委員を務めるなど、地域の食環境のためにも活動。「旬に収穫した最高の味を、地元の人がまず味わう」「素材そのものの味を愉しむ」というアラン・シャペルの哲学を日本で実践している》。



昨年は、11/17に音羽氏の料理をいただいた(5千円のランチ)。前菜は「鯛の燻製とじゃがいものピュレ、オリーブ風味」だ。軽くスモークされた大ぶりの鯛に、うま味の濃いジャガイモがよく合う。



スープは「原木椎茸とマッシュルームのクレーム」。これは珍しい。カプチーノにヒントを得て作ったというクリームスープである。あわあわとした食感がいい。



メインは「伊達鶏シュプレームのポワレ、大和太ねぎのグラティネ」。シュプレームとはフランス語で「最高」、ポワレは「フライパンでの蒸し焼き」で、低温でジューシーに調理されたという。グラティネは「オーブン焼き」だ。

伊達鶏(だてとり)とは何か。《自慢は独特のやわらかな歯ごたえ。ブロイラーよりしっかり、シャモやカシワよりやわらかく…。味の良い鶏種をフランスから導入し、特別に配合された飼料を与え、じっくり育てることで、肉のコクとうま味を引き出しました。伊達鶏は飼料に抗生物質を使用せず、指定生産農家にて安全に飼育されます。坪当たり羽数を通常の若鶏より少なくし、鶏舎の衛生管理を徹底することで健康に育てるよう工夫しています》というものだ。
http://www.date-tori.jp/tori.html



確かにシャモ系の大和肉鶏などより柔らかいが、ブロイラーのように脂っぽくない。じんわりとコクのある鶏肉である。クーカル奈良では、奈良県産の食材を優先して使うことになっているが、音羽さんは、宇都宮(栃木県)周辺の食材にこだわりが強いので、伊達鶏を使われたのだろうが、さすがによく鶏の特長をご存じだ。やはり、この料理は伊達鶏でなくてはいけない。

デザートは「洋梨のポシェとマロンのプティガトー」。ガトーは「ケーキ」のことで、これにコーヒーがついていた。やはり素材の味を活かし、すっきりと仕上げておられる。



地産地消にこだわる音羽氏の活動は、農水省のHPでも紹介されている。タイトルは《「食」を通して都市と農村を結びつける「食の外交官」》だ。《音羽氏は、「地産地消」という言葉が一般に言われる以前から、その理念に基づいた活動をしています。美味しい料理はいい素材との出会いからという信念から、産地に直接生産者を訪ね、交流を重ねるとともに、県産品の美味しさをもっと消費者の皆さんに知ってもらうため、経営するレストランでは地元産食材の利用ばかりではなく、生産者と消費者をつなげる場づくりにまで、活動の輪を広げています》。
http://www.maff.go.jp/nouson/seisaku/ourai_nippon/jirei09.pdf

《音羽氏は、「次世代を担う子供達のためにも、我々がより心地よくくつろぐためにも、豊かで楽しい食の空間、食環境をつくっていきたい。」、そんな思いを、故郷宇都宮で、おいしい料理と交流活動をとおして伝えていきたいと考えています。また、食育を通じて本物の味を理解する力を若いうちに付けるための活動を今後とも実践するとともに、地域食材に付加価値をつけ、マーケットに出すための支援も考えています》。

音羽氏は、名店の名シェフにとどまらず、食育や食による地域おこしに取り組み、その姿勢が料理にも現れている。「東京に出店していたら、もっと有名なお店になっていただろうに」などと考えては、いけないのだ。美味しい料理で地域おこしに取り組むシェフのお手本だ。
コメント (4)
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