tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

Topic 12/11、留学生が今井町を訪ねます!

2010年12月02日 | お知らせ
12月11日(土)東アジアの高校生17人が、橿原市今井町を訪ねるそうだ。ホストファミリーや通訳を加えると約40人という大世帯となる。今井町町並み保存会会長の若林稔さんに教えていただいた。若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」によると《AFS日本協会奈良支部が受け入れている「21世紀東アジア青少年大交流計画」(外務省による事業)で来日する留学生たちに、日本の文化をより深く知ってもらおうと、今井町での1日体験のプログラムを組みました》。
http://blog.goo.ne.jp/syodou_yamakitiman/e/f6e79a8d5e9168b257b8697310bc5319

趣旨は《東アジアからの留学生に日本の伝統文化を体験学習してもらう。ホストファミリーや地域の人々(今井町町並み保存会)との交流を深める。奈良に来た留学生に、奈良という地域の特殊性・ユニークさを知ってもらう。今井町では今井町町並み保存会がお世話して、外国からの留学生に町家ぐらしと日本の中世の文化を一日たっぷりと体験してもらう》ということだそうだ。当日のスケジュールは

日  時  平成22年12月11日(土)9時30分~16時00分
会  場  今井町(重要伝統的建造物群保存地区)内
集  合  今井まちなみ交流センター 華甍(はないらか)
       9時30分に八木西口駅に集合し、その後華甍に向かう 
内  容  江戸時代の歴史を中心に、町家の旧い生活習慣を学ぶ
午  前  寺子屋体験、書道体験、着物体験、今井町の町並み見学   
昼  食  大和今井の茶粥体験(重文旧米谷家で賄いなどを体験しながら茶粥を味わう)
午  後  着物体験(留学生が着物を着て、全員で町歩き)、重文今西家訪問など
14時~   お餅つき体験(全員で・重文旧米谷家でかまどで甑を揚げ、杵と臼でお餅をつき、食べる
16時    後片付けを済ませて解散
主  催  AFS日本協会奈良支部(松岡悦子支部長:奈良女子大学生活環境学部教授)
       今井町町並み保存会(若林稔会長)

なお、AFSとは《第一次世界大戦と第二次世界大戦の時に、良心的兵役拒否をしたアメリカの若者が、兵役の代わりに傷ついた兵士を国籍に関わりなく救急車で運ぶボランティアをしたのが始まりで、戦争が終わったあとは、若い世代の高校生を交換留学させることで戦争をなくそうとして始まったのがAFS.で、アメリカン・フィールド・サービスの略(フィールドは戦場という意味です)》。

《現在は高校生の交換留学を主な活動としている民間国際教育交流団体で、特定の政治・宗教に偏らない非営利組織で、国際本部をニューヨークに置き、世界中で活動する数多くのボランティアの支援のもとで、異文化教育交流を行っています。AFSの加盟国は50か国以上、交流国は約80か国に及び、日本では財団法人AFS日本協会として「文部科学省の所管」になっています》。

松岡正剛氏(日本文化研究家、著述家)は、「NARASIA(ならじあ)」(=平城京モデル)というコンセプトを提示した。稲作や鉄器の鋳造に始まる日本と東アジアとの密接な交流の総仕上げが奈良時代で、この時代に「平城京モデル」が発動した。それは記紀の編纂、貨幣の鋳造、三世一身法などの土地政策、神事と仏事の統合などに表れた。NARASIAは、現政府の「東アジア共同体」構想とも一脈相通ずるコンセプトである。

わざわざNARASIAを持ち出すまでもなく、この国のかたちは、東アジアとの交流により原型が築かれた。東アジアの高校生たちは、中世から近世の日本が残る今井町の至るところで、自国の文物との共通点を発見し、日本と自国を見る目が変わることだろう。「インバウンドの促進」は、奈良県における最大の観光テーマの1つである。物見遊山ではなく、生活文化体験を中心とした今回の留学生受け入れプランは、そのモデルケースになることと期待している。
※トップ写真は、今井町で実施した「古社寺を歩こう会」の模様(09.9.12)。
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