tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

Topic 「會津八一のうたにのせて」展は、12/19まで

2010年12月11日 | お知らせ
今、奈良県立美術館(県庁裏:奈良市登大路町10-6)で、 「書・拓本・写真でつづる…平城遷都1300年祭特別展 會津八一のうたにのせて―奈良の古寺と仏像―」という展示が行われている。会期は、12/19(日)まで。

公式HPによると、この特別展の開催趣旨は《1300年を超える歴史の中で伝え育まれてきた奈良の古寺と仏像。會津八一がその魅力に初めて触れたのは今から約100年前の明治41年(1908)のことでした。今では多くの観光客が訪れるようになった奈良ですが、当時は明治初期の廃仏毀釈の傷跡が深く残り、寺院も仏像も荒れ放題になっていました》。
※「會津八一のうたにのせて」公式ホームページ
http://butsuzo.exhn.jp/index.html

《そのような状況下で、八一は古寺や仏像の魅力を見出し、そこにとどまることなく、短歌や書画、美術史の探求、さらには仏像写真のプロモートなど美の創造的活動を重ねることで、世の人々の共感を集め、古寺と仏像を“日本の美”の象徴的存在に高めることに大きな貢献をしました。平城遷都1300年の年に、本展を通じて八一の足跡を見つめなおし、奈良の地で今日まで脈々と生き続ける美の系譜の一端を再発見していただければ幸いです》。

なお會津八一とは《美術史家、歌人、書家。別号、秋艸道人、渾齋。明治14(1881)年8月1日、新潟市生まれ。新潟中学校時代から『万葉集』を愛読、良寛の歌に親しむ。坪内逍遥や小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)らに教えを受け、明治39年(1906)に早稲田大学文学科を卒業。新潟の有恒学舎の英語教師となる。明治41年(1908)8月、27歳の時、はじめて大和路を巡って短歌を詠み、奈良の古美術への造詣を深める。大正10年(1921)に奈良の写真家・小川晴暘と出会い、以後、小川と奈良各地の仏教美術の撮影・研究に取り組む。昭和9年(1934)「法隆寺・法起寺・法輪寺建立年代の研究」で文学博士号を受け、昭和13年(1938)、早稲田大学文学部芸術学専攻科の主任教授となる。早稲田大学名誉教授。昭和31年(1956)11月21日逝去》(公式HP)という人だ。代表作は、歌集『自註鹿鳴集』(岩波文庫)である。

今朝(12/11付)の日本経済新聞「文化往来」欄に詳しく紹介されている。《会津八一が創作・監修、仏像写真など展示》《大正・昭和期の歌人、会津八一(1881~1956年)の足跡をたどる展覧会が奈良市の奈良県立美術館で開かれている(19日まで)。終了した東京展と新潟展は八一の愛した奈良の仏像が主体だった。奈良展は八一の書画、歌書のほか、八一が監修した仏像写真、八一が検証した奈良の寺院の古代瓦などが中心。展示約140点のうち半数程度が奈良展独自の出品で、美の創造者としての八一の個性が前面に出ている》。

《1924年出版の古美術写真集「室生寺大観」に代表されるように、八一監修の仏像写真は黒色を背景に仏像の陰影や手、衣紋などの細部を強調。仏像写真に新たな感性を吹き込んだ。小川晴暘(せいよう)が撮った「新薬師寺 伐折羅(ばさら)大将像」「中宮寺 菩薩半跏(ぼさつはんか)像」などが有名だ。飛鳥寺や法隆寺の丸瓦も数多く展示。八一は古代瓦に初めて注目した美術史家でもある。東大寺の大仏台座のほか法隆寺や薬師寺の文様を写した拓本も多くは奈良展だけの出品で、通常の観覧では実物を目にするのが難しいものがほとんど。会場全体が奈良の美と魅力に包まれている》。

今回の展示は、11月20日(土)~12月19日(日)までの午前9時~午後5時(月曜日休館)ということだが、有り難いことに、金・土曜日は午後9時まで開館している(入館は閉館の30分前まで)。で、私は昨日の金曜日(12/10)に訪ねてみた。着いたのは午後7時20分過ぎで、途中で同僚のKくんとすれ違った。Kくんは2回目だったそうだ。
※「會津八一のうたにのせて」展を紹介した鹿鳴人さんのブログ
http://narabito.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-47d6.html

相当、見応えのある展示だった。出品目録を見ると、140点も出展されている。八一自身の書、歌書、書画、書簡をはじめ、大和の古寺の瓦や拓本、工藤利三郎や小川晴暘の写真(仏像など)等がずらりと並んでいる。
※展覧会の見どころ(公式HP内)
http://butsuzo.exhn.jp/nara_spot/index.html

この展示は新潟や東京でも行われていて、東京の三井記念美術館では、東大寺(勧進所阿弥陀堂)の「五劫思惟阿弥陀像」や室生寺の「釈迦如来坐像」など、たくさんの仏像が展示されていたそうであるが、ここは地元・奈良なので、それは写真で済まされていて、本旨である八一の生涯にスポットが当たっている。「仏さまは、お寺で拝観して下さい」ということなのだろう。
※「奈良の古寺と仏像」出品目録(三井記念美術館 PDF)
http://www.mitsui-museum.jp/pdf/mokuroku100621.pdf

先ほどから公式HP内のサイトを紹介しているが、このHPが、とてもよくできている。トップページの「み仏(HOTOKE!)フリーク道場」というバナーをクリックすると、「古寺と仏像を知る」「奈良を知る」「會津八一を知る」「展覧会会場から」「仏師・明珍素也氏による仏像修理ルポ」という個別のページに入れる。特に「奈良を知る」というページには、お寺が推薦する食べどころが紹介されていて、とても楽しい。
※奈良を知る(公式HP内)
http://butsuzo.exhn.jp/blog/?cat=4

入館料は一般800円、大・高生600円、小・中生400円だが、県立美術館のHPに載っているチラシ画像(表の1番下)に、「割引引換券」がついていて、プリントアウトして持参すると、200円引きになる。会期末まで、あと1週間。ぜひお友達をお誘いの上、お訪ねいただきたい。
※割引引換券のついたチラシ画像(PDF)
http://www.pref.nara.jp/secure/56274/chirashi.pdf

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする