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當麻寺の練供養会式(ねりくようえしき)2019年から「4月14日開催」に!

2019年04月09日 | お知らせ
當麻寺の練供養会式はこれまで毎年5月14日に行われてきたが、今年(2019年)からは、毎年「4月14日」と、1ヵ月前倒しで行われる。昨年5月11日付の毎日新聞奈良版「練供養会式 来年から4月14日 暑さに配慮、本来の命日に」よると、
※トップ写真は毎日新聞の記事から拝借した

明治時代以降は5月開催だったが、中将姫の命日である旧暦3月14日(新暦の4月中下旬)に合わせる。(中略)練供養は菩薩(ぼさつ)の面を着けた二十五菩薩が、極楽堂と呼ばれる本堂から掛けた橋を渡って中将姫を迎えに来る様子を再現する行事。平安時代の1005(寛弘2)年に地元出身の天台宗の高僧、源信が比叡山(滋賀県)で始めたとされ、翌年から故郷の当麻寺で開かれるようになったという。

少なくとも鎌倉時代には現在の形になったといい、毎年1万人近くの参拝者でにぎわう。ただ、5月だと熱中症で参拝者の救急搬送が毎年相次いでいた。4月は名物のボタンの開花時期にも合い、参拝しやすくなりそう。同寺奥院の川中教正副住職は「5月は暑すぎる。本来の命日に合わせたい」と話している。


さてこの会式について、最後に少し詳しく紹介しておく。『奈良まほろばソムリエ検定公式テキストブック』から。

當麻寺練供養会式(二十五菩薩来迎会)
◎葛城市當麻 場所=當麻寺

中将姫伝説と蓮糸曼荼羅で名高い當麻寺では、「聖衆来迎練供養会式」(「當麻のオネリ」「當麻レンド(レンゾ)」「當麻エシキ」)が行われる。この行事は、観音菩薩・勢至菩薩などのいわゆる二十五菩薩に扮装した人々が、西方極楽浄土に模した曼荼羅堂から、人間世界にあたる娑婆堂へ赴き、中将姫を蓮台にすくいあげて再び浄土へと帰る来迎引接のさまを、目のあたりに見せる宗教劇である。

この宗教劇は阿弥陀仏四十八願の第十九願「聖衆来迎願」の浄土教的な理解を表すもので、阿弥陀仏が聖衆を伴って、極楽浄土から紫雲に乗じて臨終の念仏行者を迎えに訪れる来迎会を表現しているものである。

十四日午後四時頃からまず中将姫坐像を乗せた輿が娑婆堂内に入れられたあと、来迎の行道が始まる。天人、竜樹菩薩・地蔵菩薩以下の諸菩薩が、それぞれ羽織袴姿の介添人に導かれて来迎橋を渡る。観音菩薩は金の蓮台を手に中将姫を迎えに行くのでスクイボトケ、合掌しながら続く勢至菩薩はオガミボトケと呼ばれる。この両菩薩は「練る」を形容するにふさわしい所作をする。

「一歩前進、半歩戻る」という歩み方で、体を左右にねじりダイナミックな独特の動きを見せながら来迎橋を歩む。娑婆堂に至ると、観音菩薩の持つ蓮台に中将姫坐像から取り出した宝冠阿弥陀坐像が据えられ、再び来迎橋を渡り極楽堂へと引接の行道を行う。


平成最後の當麻寺練供養会式、4月14日はぜひ當麻寺へ!
コメント (2)
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