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全国町並み保存連盟、初の「関西ブロック大会」を橿原市今井町で開催!/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第36回

2019年04月21日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
2019年4月26日(金)で休刊する「週刊奈良日日新聞」。私の連載も、この日が最後の掲載となる。それはまた後日紹介させていただくとして、今日は先月(3/29付)掲載された「全国町並み保存連盟/今井町で初の関西大会」を紹介する。
※トップ写真は、3月3日(日)に開催された御所まちウォーク(御所御坊・圓照寺)で

全国町並み保存連盟は45年前に結成された全国規模の団体で、橿原市の「今井町を保存する会」など3つの住民団体で結成された。年を追うごとに規模が大きくなり、最近は各地区ごとにブロック大会が開催されている。その「第1回関西ブロック大会」が3月2日(土)、今井町で開催された。翌3日(日)には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)をめざす御所まちを歩いた。では記事全文を紹介する。


今井町町並み保存会会長・若林稔さんの冒頭ご挨拶

全国町並み保存連盟は、歴史的な集落や町並みにより、歴史を活かしたまちづくりに取り組む団体と、 それら団体を支援する個人によって構成される全国的規模のNPOだ。昭和49年(1974)に「今井町を保存する会」(橿原市)の呼びかけで「有松(ありまつ)まちづくりの会」(名古屋市有松)「妻籠(つまご)を愛する会」(長野県南木曽町) の3つの住民団体が集まって結成された。

その今井町で、今年3月2日~3日、同連盟の「第1回関西ブロック大会」が開催された。テーマは「関西の町並みを考える会~刻(とき)を越え奈良今井町を歩く~」。全国から約70人、地元からは約30人が参加した。



奈良まちづくりセンター理事長・二十軒起夫さんの活動紹介

2日午前は今井町の町歩き、午後は関西各地の団体からの活動報告とシンポジウムがあった。活動報告では、今井町町並み保存会会長の若林稔さんの「活動のおかげで今井小学校は児童数が増えているし、今井町では空き家が減っている」という話に、参加者の皆さんからは驚きの声が上がっていた。ほかにも県内からは奈良まちづくりセンター、今井まちなみネットワーク、五條新町、ごせまちネットワークなどの活動が紹介された。

シンポジウムで私は初めて「重要文化的景観」(文化庁)を知った。文化財保護法には「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」とある。

重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)はモノ(建物や町並み)が中心だが、こちらは住民の生活、仕事や文化と結びついた景観(棚田や里山など)が対象になる。今年2月時点で64件が認定されていて、奈良県からは「奥飛鳥の文化的景観」(稲渕や栢森など)が選定されている。奈良県の奥深い魅力を発掘し保護するのに使えそうな制度である。



若林さんの活動紹介

3日は午後からNPO法人ごせまちネットワーク・創の楠孝夫さんをメインガイドに御所まちを歩いた。楠さんは2日にも重伝建に向けた取り組みを話されていて、3月16日には「御所まち町並み調査中間報告会」を開催するなど、調査がここまで進んでいることも初めて知った。


3月3日にメインガイドをお務めになったごせまちネットワーク・創の楠孝夫さん

御所まちは奈良検定の「体験学習プログラム」(1級受験時の要件)に入っていて、奈良まほろばソムリエの会が案内し、私も毎年訪ねている。ガイドが変われば目のつけどころが変わる。楠さんのガイドはとても分かりやすくて面白い。これはソムリエの会のガイドにも取り入れることにしたい。



それにしても充実した2日間だった。若林会長は「関西で初の開催であり、連盟に未加盟だが関心のある方にまで参加者の範囲を広げるなど大変苦労したが、昭和49年に連盟を立ち上げた今井町で、再び多くの皆さんの力を結集して関西ブロック大会を終えることができ、本当に嬉しい」と話しておられた。

ひと口に「歴史を活かしたまちづくり」と言っても、活動は地味だし住民の合意をとりつけることも一筋縄ではいかない。皆さん、これからも粘り強い活動を期待しています!


今回は初の関西ブロック大会ということで、部外者である私にまでお声かけいただき、おかげさまで全国の町並み保存運動の様子や、御所まちの取り組みを知ることができた。若林さん、ありがとうございました!

コメント (2)
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