先日(2019年12月28日)当ブログに、ホテル日航奈良の「奈良のいちごフェア」の記事を書いていて、「待てよ、昔からこんな冬場にイチゴがあったっけ?」とふと気づいた。疑問は解けないままだったが、奈良新聞(1/15付)の「新 大和の食模様(104)」を読んで、疑問が氷解した。筆者は旧知の的場輝佳さん(NPO法人「奈良の食文化研究会」)だった。
※トップ写真は新品種「珠姫(たまひめ)」。日経電子版(1/16付)から拝借
内容を要約すると、奈良県でイチゴの栽培史上、画期的な技術開発があった。1972年、当時の奈良県農業試験場により「電照保温」の技術が開発された。通常、9月頃に植えた苗は冬季に休眠し、4月に開花・結実し、収穫できるのは5~6月頃だったが、電照保温により苗は休眠せず連続開花するので12~5月まで収穫が可能になったという。
これだとクリスマスの時期に収穫できるので、経済効果は絶大だ。当時、奈良県のイチゴ生産高は全国第3位だったそうだ。同じ記事に、新品種「珠姫」の話が出ていたが、こちらは日経電子版(1/16付)に詳しい。引用すると、
奈良のイチゴ新品種「珠姫」、1粒平均30グラム超
奈良県の農業研究開発センターが育成したイチゴの新品種が「珠姫(たまひめ)」の名前で店頭に並び始めた。1粒30グラム以上の果実の割合が7割を超すのが特徴で、甘みはさっぱりしている。県は新たなブランドとして打ち出す考えだ。
2014年度から試験栽培が始まり、現在は県内37生産者が栽培する。19年12月に農林水産省から品種登録の出願が公表されたことを受けて「珠姫」として出荷できるようになった。正式な品種登録までは2~4年程度かかる見通しという。
奈良県が開発したイチゴはこれまで「アスカルビー」と「古都華(ことか)」があるが、1粒の平均的な重さが20~25グラムなのに対し珠姫は33.6グラム。30グラム以上の比率も73%と高い。オレンジがかった赤色で、味は酸味が少なく甘みが際立つ。奈良県農業協同組合(JAならけん)の「まほろばキッチンJR奈良駅前店」(奈良市)の店頭では昨年12月末、1粒ごとパックに入れて売られていたものもあった。たまごのような形と大きさが目を引く。
イチゴの新品種の開発は個人を含め各産地や研究機関で相次ぐ。珠姫は「他と違うもの」(県農林水産振興課)を狙ったといい、「インスタ映え」しそうなことからスイーツ店などでの人気が高まりそうだ。奈良県は1960年代から80年まで作付面積ベースで全国3位のイチゴ産地だったが、2018年産は15位の105ヘクタール。急速に宅地化が進んだためで、収穫量も2320トンで19位。ただ現在も関西では有数の産地で、県内生産に限定している古都華は味の良さから高値で取引されることが多い。
アスカルビーに古都華、珠姫。最近は白いイチゴ(パールホワイト)やピンクのイチゴ(淡雪)も出荷され、人目を引いている(毎日新聞の記事は、こちら)。奈良新聞の記事では奈良県農業開発研究センター育種課長・西本登志さんが「奈良のイチゴの品質は最高で、県外品種に負けていない。多くの皆様に奈良県のイチゴを楽しんでもらいたい」とコメントしていた。皆さん、県産イチゴをもっと食べましょう!
※トップ写真は新品種「珠姫(たまひめ)」。日経電子版(1/16付)から拝借
内容を要約すると、奈良県でイチゴの栽培史上、画期的な技術開発があった。1972年、当時の奈良県農業試験場により「電照保温」の技術が開発された。通常、9月頃に植えた苗は冬季に休眠し、4月に開花・結実し、収穫できるのは5~6月頃だったが、電照保温により苗は休眠せず連続開花するので12~5月まで収穫が可能になったという。
これだとクリスマスの時期に収穫できるので、経済効果は絶大だ。当時、奈良県のイチゴ生産高は全国第3位だったそうだ。同じ記事に、新品種「珠姫」の話が出ていたが、こちらは日経電子版(1/16付)に詳しい。引用すると、
奈良のイチゴ新品種「珠姫」、1粒平均30グラム超
奈良県の農業研究開発センターが育成したイチゴの新品種が「珠姫(たまひめ)」の名前で店頭に並び始めた。1粒30グラム以上の果実の割合が7割を超すのが特徴で、甘みはさっぱりしている。県は新たなブランドとして打ち出す考えだ。
2014年度から試験栽培が始まり、現在は県内37生産者が栽培する。19年12月に農林水産省から品種登録の出願が公表されたことを受けて「珠姫」として出荷できるようになった。正式な品種登録までは2~4年程度かかる見通しという。
奈良県が開発したイチゴはこれまで「アスカルビー」と「古都華(ことか)」があるが、1粒の平均的な重さが20~25グラムなのに対し珠姫は33.6グラム。30グラム以上の比率も73%と高い。オレンジがかった赤色で、味は酸味が少なく甘みが際立つ。奈良県農業協同組合(JAならけん)の「まほろばキッチンJR奈良駅前店」(奈良市)の店頭では昨年12月末、1粒ごとパックに入れて売られていたものもあった。たまごのような形と大きさが目を引く。
イチゴの新品種の開発は個人を含め各産地や研究機関で相次ぐ。珠姫は「他と違うもの」(県農林水産振興課)を狙ったといい、「インスタ映え」しそうなことからスイーツ店などでの人気が高まりそうだ。奈良県は1960年代から80年まで作付面積ベースで全国3位のイチゴ産地だったが、2018年産は15位の105ヘクタール。急速に宅地化が進んだためで、収穫量も2320トンで19位。ただ現在も関西では有数の産地で、県内生産に限定している古都華は味の良さから高値で取引されることが多い。
アスカルビーに古都華、珠姫。最近は白いイチゴ(パールホワイト)やピンクのイチゴ(淡雪)も出荷され、人目を引いている(毎日新聞の記事は、こちら)。奈良新聞の記事では奈良県農業開発研究センター育種課長・西本登志さんが「奈良のイチゴの品質は最高で、県外品種に負けていない。多くの皆様に奈良県のイチゴを楽しんでもらいたい」とコメントしていた。皆さん、県産イチゴをもっと食べましょう!