以前、当ブログでも紹介した「餅商一ツ橋 復活プロジェクト」事業プラン、6月30日(水)必着なので、お急ぎいただきたい。詳しくは南都銀行のサイトに出ている。読売新聞奈良版(6/17付)に「五條新町の象徴 復活へ」という行き届いた記事が出ていた。全文を紹介すると、
「餅商一ツ橋」の店舗跡
江戸時代の町並みが残る五條市の新町通りを象徴する町家で、2年半前に閉店した老舗餅屋「餅商一ツ橋」の店舗跡が、起業家らに貸し出されることになった。市を代表する観光スポットとして雑誌やパンフレットで紹介されており、住民が「町のシンボルを復活させたい」と自ら借りて修理。南都銀行の協力で新規出店者を募集している。(中井将一郎)
地域活性 起業家育成の場
店は大正時代の創業。右から読む「餅商一ツ橋」と書かれた幅5メートルの大看板が目印だった。通りの東から数えて一つ目の橋のたもとにあるため「一ツ橋」の屋号になったといい、町家と橋が並ぶ風情が好まれ、写真スポットとして知られてきた。3代目店主が2018年12月まで営業していたが、高齢となり、約100年の歴史に幕を下ろした。貸家で老朽化しており、そのまま空き店舗となった。
「五條を代表する景観なのに、なくなったら台無し。誰も動かないなら自分でやろう」。市内で会社を経営する田中郁子さん(67)は、取り壊しを防ぐため、閉店まもなく自ら借りた。JR五条駅そばで生まれ育った田中さんにとっても、幼い頃から、あん餅やかき氷を食べた思い出の場所だった。活用のめどはなかったが、「風情だけでも残そう」と19年8月から、のれんを掛け、ショーケースには焼き餅やよもぎ餅の食品サンプルを置いて、往時の姿を再現。変わらず写真を撮る観光客の姿が見られるようになった。老朽化が進んでいたため、昨年末から修理工事を進めており、今夏に完了する予定。
5月からは奈良の観光振興やまちおこしに取り組む南都銀行地域事業創造部の協力も得て、活用プロジェクトがとんとん拍子で進んだ。活性化の拠点になるよう、店で飲食や小売り、テイクアウトなどの事業をしたい個人・法人を募集することになった。現在、南都銀行が事業プランを募っており、地域貢献、実現性や独創性、熱意などを勘案して選考する。書類審査、面談を経て、7月下旬に事業者を決め、10月からの開業を目指す。
店は木造平屋27・5平方メートルで、家賃は3万円程度。開業する事業者は、田中さんが経営する不動産管理会社「ワンキュウファイブ」と賃貸借契約を締結。起業家育成の場にしたいとの思いから、2年後に県内で独立して開業できるように促していくという。田中さんは「やる気や発信力のある人に来てもらい、魅力のある商品が売られるようになり、町の魅力が増せばうれしい」と話す。事業プランの応募は6月30日必着。問い合わせは南都銀行地域事業創造部(0742・81・3103)。
<新町通り>2010年、文化庁から重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に「五條新町」として選定された伝統的な町並み。江戸時代初期に城下町として開かれ、現在も吉野川沿いの東西1キロ近くにわたり、160戸の町家が並ぶ。餅商一ツ橋は、通りを東から入ったところに位置している。
田中郁子さんは、株式会社柿の葉すし本舗たなかの元代表取締役社長。現地はJR五条駅からは少し離れているが、思い出のお店だったのだろう。皆さん、奮ってご応募を!
