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温暖化の責任は全ての国に/佐和隆光氏 京都新聞「天眼」(2021.6.20付)

2021年06月29日 | 環境問題
久しぶりに胸のすくような「正論」を読んだ。エコノミスト(国際高等研究所研究参与)佐和隆光氏 の「温暖化の責任は全ての国に」( 京都新聞「天眼」2021.6.20付)である。いまだに「地球は温暖化していない」という暴論を唱える人がいるなかで、説得力のある論理展開を開陳されている。全文は記事の画像を見ていただくとして、ポイントをピックアップしてみる。

〇地球温暖化と気候変動の進行を推し量る物差しは、大気中CO2濃度(大気中に蓄積された過去の排出量の集計値)である。
〇産業革命以前のCO2濃度は、280ppmに安定していた。しかしその後上昇し始め、2020年には420ppm、産業革命前の1.5倍にまで上昇した。
〇濃度が550ppmを超えると、豪雨・洪水、海水膨張、山岳氷河・極水の溶融による1㍍に及ぶ海面上昇、森林の植生遷移、海水温上昇と海流変化による魚類の生息域の変化など、温暖化・気候変動の影響が人類の生存を脅かすレベルに達するという。
〇現状、大気中のCO2濃度は年間約2ppmずつ上昇している。このままだと50年余りで550ppmに達する。
〇1980年代末までのCO2濃度上昇の責任は先進国が負うべきだし、90年代以降の濃度上昇の責任の過半は非先進国が負うべきではないか。
〇2015年にパリで開催されたCOP21において「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑制する」こと、そのために各国が「CO2を始めとする温室効果ガス排出の削減目標を策定し、しかるべき国内措置を講じる」ことに全ての参加国が合意した。
〇21世紀の最初の20年間、温暖化と異常気象が地球上の至る所で「見える化」したことが、歴史的合意形成を可能にした最大の理由であろう。
〇遅まきながら、最終バスに間に合ったことを、幸いとしなければなるまい。


国際的合意はできた。これからは「しかるべき国内措置を講じる」段階である。この期に及んで「地球は温暖化していない」論者は、完全アウトである。

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