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奈良市紀寺町の住宅街の一角に、「和廣(わこう)飯店」(奈良市 紀寺町 885-3)という昭和レトロな中華屋さんがある。今どきのはやり言葉でいう「町中華」だ。紀寺町といっても、法務局や奈良教育大近くの市内循環「高畑」バス停で下車し、少し西に入ったところにある。年上の友人のKさんが、わざわざ朝日新聞の切り抜き(2018.5.29付「味な人」)を郵送して下さった。そこには、
※トップ写真は酢豚定食(税込み600円)と餃子(同300円)
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昭和レトロな店構え、車は出前用か
「味な人」餃子10個300円 40年変わらず
奈良市「和廣(わこう)飯店」 松田孝一(まつだこういち)さん(74)
驚いた。昔通った高校近くの小さな中華屋が今なお営業していた。ひっそりした住宅街の中なのに。あの頃よく食べた餃子(ギョーザ)を注文しようとメニューを見ると、10個入り300円。店主の松田孝一さんが「昭和52年の新装開店時から値段変わってないよ」。なんと40年以上同じというではないか。羽根つきの大きな餃子だ。皮のパリッとした食感とジューシーな中身が共振する。ニラの香りが立ち、肉汁がたっぷり。「どう? おいしい?」と相好を崩す松田さんに「ええ、ものすごく」。
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具作りから見せてもらった。白菜とキャベツの水分をぎゅっとしぼって、ニラと豚ミンチを加える。ニンニクとショウガはすりたて。ごま油や酒も少々。ジュウジュウし出すと、「開店以来、継ぎ足し続けてる」というスープをかけた。鶏ガラと豚骨を2、3日で入れ替えているのだそう。水溶き片栗粉を振り入れる手つきもお見事。
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これら2枚の写真は、朝日新聞のサイト(2018.5.29付「味な人」)から拝借した
奈良県天理市生まれ。大阪ミナミの洋食屋を経て住之江区の中華屋で修業中、兄弟子の知人に腕を見込まれ「奈良の市場に店出せへんか」。今、ここが市場の片鱗(へんりん)もないのは、開業8年目に閉鎖されたから。借金をして市場の跡地で新装開店し、幼い子供たちにも手伝わせた頃が懐かしい。店名は長男の名前の音読みという。(井上理津子=フリーライター)
メモ 奈良市紀寺町885の3。電話0742・24・0963。11~19時。無休。喫煙可。定食、一品料理500円(税込み)~。
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レポーターの井上理津子さんは最近、『絶滅危惧個人商店』を上梓された人だ。ご店主は3年前に74歳、ということは今は77歳。「これは早く行かなければ」と、急いで金曜と土曜(2021.8.20~21)のランチタイムにお邪魔した。メニューは驚くほどたくさんある。
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酢豚定食(税込み600円)
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餃子(同300円)
メニューは中華以外に、オムライス(税込み500円)、カツ丼(同700円)、海老フライ定食(同600円)なども。結局私は金曜日(8/20)は酢豚定食(同600円)と餃子(同300円)、土曜日(8/21)はチャンポン(同500円)と焼き飯(同)を注文した。メニューに表示された値段はずっと以前から変わっていないようなので(内税で表示)、消費税が上がるたびに儲けが少なくなっている計算になる。出てきたのが写真の料理である。
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焼き飯(同500円)、味噌汁も美味しい!
羽根つきの餃子は「これで300円?」と驚くほど具だくさんで、とても美味しい。焼き飯は、チャーハンではなくあくまで懐かしの「焼き飯」で、トッピングの紅ショウガと細かく刻んだハムやネギやニンジンがミックスし、いい味を出している。味噌汁がついているのもいい。両日とも、私が入店したときはお客さんは誰もいなかったが、あとからどんどん入って来られた。
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チャンポン(同500円)
皆さん慣れた様子で、冷蔵ケースからペットボトルの水やビールを取り出して飲んでいる。小さな子どもさんを連れた若夫婦が来られ、焼肉定食とチャーハンと醤油ラーメンと餃子とビールを注文され、「そんなにたくさん食べられるかな」と心配していると、案の定「餃子、持ち帰ります」とのこと。ご店主は慣れた手つきで、フードパックと輪ゴムを渡しておられた。
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麺は細麺だが弾力性がある。具にはとろみがついているので、食べるのには時間がかかった
「朝日新聞に載ったときは、関西一円からたくさんのお客さんがいらっしゃいました」とか。念のため「息子さん(和廣さん)は、跡を継がれないのですか?」とうかがうと、「この店は私の趣味です。息子はサラリーマンで頑張っています」とのことだった。この「味な店」、Kさんはカレー中華丼(同500円)などを出前で取るそうだが、私は次回は「豚カツ定食(同600円)と餃子を組み合わせようかな」などと考えている。鶏唐揚げ(同800円)や餃子を持ち帰るのも、良いかも。
皆さんも、ぜひお訪ねください。Kさん、良いお店を紹介していただき、ありがとうございました!
※食べログは、こちら
※トップ写真は酢豚定食(税込み600円)と餃子(同300円)
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昭和レトロな店構え、車は出前用か
「味な人」餃子10個300円 40年変わらず
奈良市「和廣(わこう)飯店」 松田孝一(まつだこういち)さん(74)
驚いた。昔通った高校近くの小さな中華屋が今なお営業していた。ひっそりした住宅街の中なのに。あの頃よく食べた餃子(ギョーザ)を注文しようとメニューを見ると、10個入り300円。店主の松田孝一さんが「昭和52年の新装開店時から値段変わってないよ」。なんと40年以上同じというではないか。羽根つきの大きな餃子だ。皮のパリッとした食感とジューシーな中身が共振する。ニラの香りが立ち、肉汁がたっぷり。「どう? おいしい?」と相好を崩す松田さんに「ええ、ものすごく」。
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具作りから見せてもらった。白菜とキャベツの水分をぎゅっとしぼって、ニラと豚ミンチを加える。ニンニクとショウガはすりたて。ごま油や酒も少々。ジュウジュウし出すと、「開店以来、継ぎ足し続けてる」というスープをかけた。鶏ガラと豚骨を2、3日で入れ替えているのだそう。水溶き片栗粉を振り入れる手つきもお見事。
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これら2枚の写真は、朝日新聞のサイト(2018.5.29付「味な人」)から拝借した
奈良県天理市生まれ。大阪ミナミの洋食屋を経て住之江区の中華屋で修業中、兄弟子の知人に腕を見込まれ「奈良の市場に店出せへんか」。今、ここが市場の片鱗(へんりん)もないのは、開業8年目に閉鎖されたから。借金をして市場の跡地で新装開店し、幼い子供たちにも手伝わせた頃が懐かしい。店名は長男の名前の音読みという。(井上理津子=フリーライター)
メモ 奈良市紀寺町885の3。電話0742・24・0963。11~19時。無休。喫煙可。定食、一品料理500円(税込み)~。
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レポーターの井上理津子さんは最近、『絶滅危惧個人商店』を上梓された人だ。ご店主は3年前に74歳、ということは今は77歳。「これは早く行かなければ」と、急いで金曜と土曜(2021.8.20~21)のランチタイムにお邪魔した。メニューは驚くほどたくさんある。
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酢豚定食(税込み600円)
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餃子(同300円)
メニューは中華以外に、オムライス(税込み500円)、カツ丼(同700円)、海老フライ定食(同600円)なども。結局私は金曜日(8/20)は酢豚定食(同600円)と餃子(同300円)、土曜日(8/21)はチャンポン(同500円)と焼き飯(同)を注文した。メニューに表示された値段はずっと以前から変わっていないようなので(内税で表示)、消費税が上がるたびに儲けが少なくなっている計算になる。出てきたのが写真の料理である。
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焼き飯(同500円)、味噌汁も美味しい!
羽根つきの餃子は「これで300円?」と驚くほど具だくさんで、とても美味しい。焼き飯は、チャーハンではなくあくまで懐かしの「焼き飯」で、トッピングの紅ショウガと細かく刻んだハムやネギやニンジンがミックスし、いい味を出している。味噌汁がついているのもいい。両日とも、私が入店したときはお客さんは誰もいなかったが、あとからどんどん入って来られた。
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チャンポン(同500円)
皆さん慣れた様子で、冷蔵ケースからペットボトルの水やビールを取り出して飲んでいる。小さな子どもさんを連れた若夫婦が来られ、焼肉定食とチャーハンと醤油ラーメンと餃子とビールを注文され、「そんなにたくさん食べられるかな」と心配していると、案の定「餃子、持ち帰ります」とのこと。ご店主は慣れた手つきで、フードパックと輪ゴムを渡しておられた。
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麺は細麺だが弾力性がある。具にはとろみがついているので、食べるのには時間がかかった
「朝日新聞に載ったときは、関西一円からたくさんのお客さんがいらっしゃいました」とか。念のため「息子さん(和廣さん)は、跡を継がれないのですか?」とうかがうと、「この店は私の趣味です。息子はサラリーマンで頑張っています」とのことだった。この「味な店」、Kさんはカレー中華丼(同500円)などを出前で取るそうだが、私は次回は「豚カツ定食(同600円)と餃子を組み合わせようかな」などと考えている。鶏唐揚げ(同800円)や餃子を持ち帰るのも、良いかも。
皆さんも、ぜひお訪ねください。Kさん、良いお店を紹介していただき、ありがとうございました!
※食べログは、こちら
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